信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』教育学

問題を出し合う

目標達成する子どもたちが増えてくると,つまり目標達成できていない子どもたちが限られてくると,初期の頃は,目標達成できていない子どもたちを助けようとして目標達成できた子どもたちが大勢集まってくる現象が現れます。みんなでなんとかしてあげようと…

みんなができていないことを

自分が目標達成すると,目標達成できて良かったと一安心します。そこでとどまるかどうかが分かれ目かもしれません。学校の授業はみんなができることが大切なんだから,みんなができていないことをどう思う?と問うてみたいです。目標達成できていないことは…

誰が考えるのか

『学び合い』の考え方では,はいどうぞと言って子どもたちに委ねる活動時間を取ります。その時間帯は,子どもたちが考える時間帯です。子どもたちが自分で考え,自分で判断し,自分で行動を起こす時間帯なのです。決して,授業者が考えたことを子どもたちに…

授業者の心が折れるか子どもたちが動き出すか

『学び合い』の考え方は,考え方を子どもたちと共有します。その考え方に納得できて共感したら子どもたちが動き始めます。ところが,考え方に納得できるようでないと共感できませんから子どもたちはなかなか動き出してくれません。授業者としては困ってしま…

日本の文化

野球のWBCでコーチを務めた白井氏が出版した書籍の中で,日本には一生懸命頑張る文化はあるけれども自分で考え判断し行動する文化はないと書いていました。日本の学校教育においても,当てはまるところがあるやに思うところです。 学校現場では,頑張りまし…

自分で考えます

『学び合い』の考え方は,困っている友だちがいたとき困っている友だちを助けるために自分には何ができるのかを考えます。そうすると,自分のそれまでの学びをリフレクションして自己更新することができます。いわゆるメタ認知が起きます。自分の得になりま…

自由に考える場と機会を

『学び合い』の考え方は集団指導です。集団で活動するに当たって,子どもたちに対して自分で自由に考えることのできる場と機会を設けるのが『学び合い』の考え方です。子どもたちは自分で考えます。友だちを一人も見捨てないためにはどうしたらよいのか,ど…

勉強は出力すること

勉強は出力することです。入力するだけでは分かったつもりになって終わることがとても多いので,分かったつもりでも実は分かっていないまま終わってしまっています。本当によく分かった状態にまで高めるためには,簡単です,出力作業をすれば良いのです。そ…

『学び合い』は考え方

『学び合い』が考え方であることは,何度もお伝えしてきているところなので耳にたこができていることかと推測します。考え方であるだけに,特に初めての方にはなかなか理解してもらえない,理解してもらえないというよりももっと具体的な方法を聞かせてほし…

『学び合い』の考え方で大学の授業を

私の大学での授業は,単独で担当している講義についてはすべて『学び合い』の考え方で実施しています。 授業冒頭に今日のミッションとして,ゴールを示します。今日は何を達成すれば良いのかを示すのです。そこに向かって今日の講義を聴いてほしい,と。受講…

ベースは学級経営

先日お招きした小学校の学級担任の先生が,いみじくも言っていたことが印象的でした。自分は,”安心”をキーワードに学級経営に取り組んでいる,と。そのキーワードは,いつどんな場面でも子どもたちに対して訴えることができる,とも。何かあったときに,そ…

自分で学ぶときとそうでないとき

自分で学ぶときと,先生から学ばされるときがあるようです。一般的な授業であっても,先生に言われたとしても子どもたちは自分で学んでいると言われそうですが,果たして荘でしょうか?自分で学ぶときと言うのはどういうときでしょうか?自分で学ぶときは,…

自分ごととして学ぶとき

自分の周りからはさまざまな情報が入ってきます。何気なく聞き流しているつまり人ごととして聞いている情報はすぐに記憶の箱から消え去ってしまいますし,もう一度やってみようと思ったときには全くできません。自分ごととして,自分ごとというと自分ならど…

育っているでしょうか

教育とは何でしょう。Webで検索してみると,教え育てることとして一番最初に出てきます。教えることはなにかと考え始めるとなかなか難しいところありますが,先の教育を調べてみると,知識、技術などを教え授けることと次に出てきますから,自ら持っている知…

違い

いわゆる一斉指導によって授業をしているときと,『学び合い』の考え方によって授業をしているときの違いは何か,と考えてみると授業が終わったときの子どもたちの理解の様子に帰結するのではないかと思われます。前者の子どもたちは一部の子どもたちは分か…

変容を促す難しさ

大学で授業をしていると,ほぼ完成に近い状態で目の前にやってくる学生のみなさんの考えを変えようとすることはなかなか難しいことである場面に遭遇することがあります。20年生きてきて,自分の文脈で創り上げてきた自分の価値観に基づく考え方やそれまでの…

大切なことは

木を見て森を見ずという表現が成されることがあります。小さなことにとらわれて全体を見逃してしまうことを言い表しているものとして知られています。教育についても当てはまることが多々あるように思われます。目の前の,明日の授業をどうしようか,特にど…

失敗という表現

教育界では失敗という表現がなされることがあります。その表現が成されるときと言うのは,思い描くゴールが明確に定まっていて,そのゴールに到達できなかったときに思わず口にしてしまう表現であることが一般的です。その表現を聞く度に,先人の”失敗は成功…

情報が重要であるかどうかは受け手が判断

重要な情報であるかどうかは学び手にしか分からないものです。入力される情報が重要であるかどうかは受け手が判断します。入力された情報が重要であるかどうかの判断基準は,自らの知識と経験に基づくものです。その知識と経験がぶれたり不十分であったりし…

分からないことを調べることのできる時間を分からない子どもたちに

講演会などに参加する機会がありますが,一生懸命聞いていたとしても分からないことが出てくると,分からないことを調べてみたい,調べてみようとそのときに思うのですが,それはまずかなわないことです。かないませんから,分からないことは分からないまま…

分からない子に何をしてあげてますか?

なぜ,分からない子がいたときに,その子が分かるまで何か手立てを講じようと力を尽くさないのでしょうか?分からない子が分からないのはその子の努力不足だとでも思っているのでしょうか?どうも私にはそのように思えて仕方がありません。それって,今流に…

20年も前の言葉

「ゲートキーパーの存在しないことが,分かる子と分からない子を生んでいる。」(西川純:なぜ理科は難しいといわれるのか,p.104,東洋館出版社,1999.)「学びが成立するか否かを決定するのは,教え手ではなく学び手である」(西川純:勉強をしなさい!を言…

すでに自動化?

私にとって,『学び合い』の考え方はごく当たり前として身に付いています。改めて『学び合い』の考え方と言わずとも,あらゆる場面において知らず知らずのうちに使っているベースです。授業だけでなく,業務遂行においても日々の生活においても本当にあらゆ…

ゴールが"見える化"されている

『学び合い』の考え方では,ゴールが"見える化"(いわゆる可視化)されています。だいたいの場合は,ゴールは1つですが,教科等や諸事情によってゴールが2つないしは3つ(は多すぎますが)示されることもあります。いずれの場合も,すべてはっきりと"見える化"さ…

分からない子が主役

『学び合い』の考え方は,分からない子が主役です。分かっている子は脇役です。分からない子に分かってもらうために説明するのですから,分からない子が分からないような説明ではアウトです。分からない子の分からなさは分からない子にしか分かりませんから…

納得できるまで聞くことのできるのが『学び合い』の考え方

『学び合い』の考え方は,分からないことを納得できるまで聞くことのできる環境を提供してくれています。それも,分からないことがでてきたそのときに,分からないことを誰にでも,分からないことを納得するまで何回でもそれも同じことを何度でも,です。素…

『学び合い』と学び合い

教え手と学び手の間に横たわる一番大きなハードルは自動化です。教え手が教えたと思っていても,学び手が学んでいない現象が頻繁に現れるのは,それに依ります。やっかいなのは,教え手が自動化していると認識できていない点にあります。自分は自動化してい…

日常的に取り組む考え方

『学び合い』の考え方は日常的に取り組むことのできる考え方です。ですから,それを使った授業はどの教科等でもどの単位時間でもどの日でも続けることができます。続けることができるとは書きましたが,日常的に続けることができるか否かは実践者の志次第で…

学び合う文化

学び合う文化なのか学ばせられ合う文化なのかはその判断が難しいところです。学び合う文化なのか,それとも学ばせられ合う文化なのか,その違いは何でしょうか?実証したデータに基づいた議論ではなく,これまでの私の経験から言わせてもらえれば,それは学…

折り合いをつけるときに心がけたい

行動分析をしていると,会話の中にお互いに無関心である会話,片方が一方的に話す会話,そして相手の会話の内容に安易に同意してしまう会話が現れます。それらの会話を落合の付けることのできる会話へと質的に高めていくためには何が必要でしょうか。いくつ…