信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

自分のゲート・キーパーを見つける

勉強というのは学ぶことであると,会話分析が教えてくれています。学び上手になると理解が進みますが,単に誰から教えてもらえれば学んでいることに直結するかというとどうもそうではないようです。教えてくれている相手が自分のゲート・キーパーでないと教…

子どもたちの学びに接する機会を持つことができない状況

現在,コロナ禍の下,なかなか子どもたちの学びに接する機会を持つことができない状況が続いています。長野県はまん延防止等重点措置が3月6日まで延長されたことを受け,各学校でも感染拡大防止と感染予防のための工夫された対策が講じられています。本学…

相手の立場から考える

将棋の棋士の方が対局中の休憩の時に,相手の席から盤面を眺めることがあるという記事を読んだことがあります。相手の立場に立って考えるというのは言うは易く行うは難しなのでなかなか実践できることではありません。ましてプロともなれば自分の局面からの…

要請をいただきました

新年度の『学び合い』ライブ出前授業の要請をいただきました。どうもありがとうございました。コロナ禍の下,規制が多い中で求めてもらえることを光栄に思います。みなさまの期待に添えるよう力を尽くしたいと思います。みんなでみんなが目標達成し,幸せに…

サバイバル・パン

本学部の事務棟の事務室の前に,サバイバル・パンが置かれていて自由にお取りくださいとのメッセージが添えられています。備蓄保存用のパンで,柔らかなままで5年間の長期保存が可能であるとパッケージに記されています。焼きたてのおいしさと書かれていて…

文脈づくり

文脈を作るのはなかなか難しい作業を伴います。最初にどのような場面からスタートさせたら良いのかにも迷います。文章で綴る場合でも言葉で伝える場合でも同じことが言えます。なんとかスタートできたとしても,その文脈をどのようにしてつないでいったら良…

相手と会話するときに心がけたいこと

相手と会話するときには,相手の考えをどれだけ聞いてあげられるか,それもどれだけ自分の考えの中に取り入れられるかが重要でかつ大切になります。それが実は,折り合いをつけるときの肝となるからです。心がけたいものです。 たとえ,職務上の上下関係があ…

私たちの理解は文脈に依存している

私たちの理解が文脈に依存していることはよく知られています。それは私たちの能力と深く関わります。特定の単語だけを取り上げて,それに触れたとしてもその単語だけから解釈することは難しいものです。一休さんのとんちには”はし”が登場します。”そば”とい…

子どもたちのおしゃべりを聞いていると

子どもたちのおしゃべりを録音して聞いていると,いろいろなことが分かってきます。たとえば,3人の子どもたちがいておしゃべりが始まったとします。Aさん,Bさん,Cさんの3人です。AさんとBさんがおしゃべりをしています。何気なく,書きますが,AさんとB…

恒温動物

我々脊椎動物は,恒温動物です。常に体温を一定に保ちながら生命を維持しているのが特徴です。それによって,気温の高低に影響を受けることなく体を動かすことができますから,行動範囲が広がり活動を活発に行うことが可能です。気温が高くなったり体を動か…

理科の研修会

来年度の理数系教員養成拠点構築事業(CST事業)の一環として実施している長野県内の小・中学校理科の先生方を対象とした理科研修講座の計画づくりが山場を迎えています。我々学部の教員が講師となって,理科の先生方に行う研修会です。例年,30前後の講座が開…

理科の魅力は

理科の魅力は何でしょうか。理科人であればそれなりのこだわりを持って答えるのではないかと思うところですが,私にはやはり事実を自分の目で捉えることにあると思うのです。自然の事物・現象を自分の目で捉えるために,その工夫が必要です。そうはいっても…

出前授業の要請

来年度の『学び合い』ライブ出前授業の要請を受けました。有り難いことです。要請くださったその学校では,昨年末に校長先生自ら先頭に立って,『学び合い』の考え方を使って授業をされたとか。素晴らしい学校で,取組に敬服します。そのような魅力あふれる…

なぜ知っていることを聞くの?

「先生はなんで知っていることを(授業で)わざわざ私たちに聞くの?」と聞かれたそうです。それが教育研究に取り組むきっかけになったと,一人の院生が言っていたことが印象的です。この点は古来から言及されてきていることですが,みなさんならその子に対し…

専門学部のみなさんのCST

本学では理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー:CST)養成拠点構築事業(以下,CST事業)を長野県教育委員会と連携協力しながら推進しています。このCST事業は教育学部だけではなく,専門学部(理学部,農学部,工学部,繊維学部)とともに進めていま…

実践研究報告会

昨日は本学教職大学院の実践研究報告会でした。M2のみなさんが2年間取り組んできた成果と課題を学外のみなさまに公開する一日です。12月のときの質疑応答を受けてまたアップグレードして一段と素晴らしい内容に仕上げられていて感服しました。4月からは学…

卒業研究の1年間

1時間にできる仕事量というのは限られます。それを何時間も続けることは難しいので,1日にできる仕事量が限られます。試験勉強をしていた頃を思い出しても,1日にこれをやろうと思ってやってみてもなかなか目標に到達できなかったことは忘れません。まし…

第56回卒業研究発表会

昨日は本学部理科教育コースの第56回卒業研究発表会がオンラインで行われました。1年間頑張ってきた成果を披露してくれた卒業生に労いと祝福の言葉を贈ります。コロナ禍の下,大変な日々を送ってきたことと推察しますが,発表内容を聞く限り,どの研究も素…

嬉しいこと

予定の時刻になっても予定しているみなさんが集まらないと心配します。授業の時でも会議の時でもゼミの時でも。何かあったのではないか,と。事故でないといいがなあ,具合悪いのかなあ,(慌てると怪我しやすいので)慌てないでいてくれるといいがなあ,とも…

知っていると言うことは

先日,新聞の朝刊に,偶然にも五味太郎さんと山本昌さんの同じ内容の類似の言葉が載っていて共感したところです。前者は知っているつもりになっていることが要注意であるというような内容です。後者は知っていてもできていなかったという内容です。知ってい…

答え教えろよの発話が出てくる背景

答え教えろよの発話が出てくる背景を探ってみると,まず答え教えろよと発話する側には,早く答えを知って安心したいという心理が働いているように思います。それだけ,授業者が答えだけを求めているのかもしれないという推測も出てきます。答え教えろよでは…

答え教えろよ

3日前に,『学び合い』の考え方をみんなで共有して授業を行うと,経験交換ケースの会話がダントツの多く現れることを書きました。経験交換ケースの会話が極めて多く現れる授業が,『学び合い』の考え方をみんなで共有できている授業の特徴と言えます。換言…

どうやって折り合いをつけるのか

みんな違っていた当たり前です。それだけに,一人一人の考え方も理解の仕方もこだわりも主張も違います。そんなとき,みんな違っていて当たり前の下で,どのようにしてばらばらの考え方と折り合いをつけるのでしょうか。それが民主主義であろうと思われます…

優雅に舞う長野の雪

みなさまは雪が降ると聞くとどのようなイメージを抱かれるでしょうか?新潟なら間違いなく,しんしんと空から地上に向けて一目散に一直線ですさまじい勢いで落下してくるボタボタ雪でしょう。長野ではそうではありません。もちろん,そのような雪の降り方も…

経験交換ケースの会話が多いのはなぜか

3日間続いて,なぜその結果が出たのか,その要因を特定することは難しいです。『学び合い』の考え方を共有して行う授業では,その典型的な特徴の一つとして,会話の中で経験交換ケースの会話が抜きん出て多く現れます。子どもたちがそれまでに学んできた知…

Aタイプと反Aタイプの会話ケースになぜ違いが出ないのか

昨日に続いて,結果がなぜ出たのか,その要因を特定することは難しいです。ゼミ生のみなさんの卒論をまとめていると,卒業生のみなさんならよく分かると思いますが,ある特定のタイプの子どもたちとそうではないそれに相反するタイプの子どもたちの会話ケー…

全員が課題達成を果たす要因は何か

教育の場合,結果を出すことは比較的容易というよりもそれほど難しいことではない(何を持って結果が出たと操作的に定義するかに依りますので一概には言い切れませんが)ですが,その結果がどの要因によってもたらされたのかを特定することは(極めてと言っ…

自分の選択次第

『学び合い』の考え方では,ゴールを明確にします。それもみんなが辿り着くゴールです。そこに辿り着くアプローチは自分の選択次第です。どのようにして辿り着くのが自分にとっていちばんベターなのかは自分で決めます。もちろん,その過程ではトライ・アン…