信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

子どもたちのおしゃべりを聞いていると

 子どもたちのおしゃべりを録音して聞いていると,いろいろなことが分かってきます。たとえば,3人の子どもたちがいておしゃべりが始まったとします。Aさん,Bさん,Cさんの3人です。AさんとBさんがおしゃべりをしています。何気なく,書きますが,AさんとBさんがしているおしゃべりはAさん→Bさん→Aさん→Bさんのようなリレーのおしゃべりになるとは限りません。AさんがたくさんおしゃべりしていてBさんが聞き役になっている場合もあります。
 一概に,話し合いと言いますが,”合い”に成っているかどうかは判断が難しいのです。Aさんが10回おしゃべりしてそれに対してBさんが1回おしゃべりしても話し合いかもしれません。
 AさんとBさんがずっとおしゃべりしていて,ときにCさんが一言加わるだけのおしゃべりがあるかもしれません。Cさんは全くそのおしゃべりに加わっていなかったのかと言えば,そうではありません。ちゃんと,AさんとBさんのおしゃべりを聞いてにこにこ笑ってうなずいていたかもしれません。しっかり話し合いです。一言も発しないからと言って,それだけでCさんがおしゃべりに入っていないとは言い切れないのが難しいところです。うなずきやいわゆるアイ・コンタクトは録音だけでは分かりませんから。
 一言でおしゃべりと言われますが,私たちはいろいろなパターンでおしゃべりしている子どもたちの様子を分析しています。彼らはたくさんのことを,私たちに教えてくれています。彼らには教えているなどという意識は全くないでしょうが。子どもたちの何気ないおしゃべりから,目標達成に向けたヒントがふんだんに得られます。