信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年を振り返って

令和4年を振り返ってみると,全国大会を主管して始まり,支部大会を主管して終わった1年であったように思います。リフレクションしてみるとあっという間でしたが,そのときそのときに集中して力を尽くしてきたことが思い出されます。みなさまからのご支援…

いろいろな文脈から見てみる大切さ

外界から入ってくる情報を処理するときには,一つの文脈からではなく,さまざまな文脈から見てみることが大切であることはよく知られています。固定された一つの文脈から処理しようとして理解が及ばなかったり解決に至らなかったりしたとしても,別の文脈か…

予習

初めてのことに挑戦するときは予習をします。出張や出前授業等のときに初めての土地を訪れるときもそうです。何度も繰り返して予習します。現代はとても便利な時代になりましたから,ライブカメラ等で実際の映像を居ながらにして見ることができます。画像で…

かさが閉じた

スギぼっくりのかさが半分開いたことを発見したのがつい半月ほど前です(https://ob1989.hatenablog.com/archive/2022/12/08)。それ以来,少しずつ傘が開いて上の方まで達しようかという状況になっていたのです。 ところが,この23日(金)の夜から24日(土)にか…

結果を招く原因探し

結果を招いた原因を特定することが難しいことはよく知られています。その意味においては,困ったときに来てもらえる修繕等をされるプロのみなさまは凄い力量をもっておられることに感嘆します。私も何回もJAFのお世話になっていますが,原因の特定は納得させ…

理科と算数・数学

他教科のことを知ることは楽しさを増します。理数とよく言われますが,理科と算数・数学も近しい教科の組み合わせです。私たちはSTEM教育に取り組んでいて,本学部でもSTEAM教育認定プログラムが新入生からスタートしようとしているところです。先日のSTEM関…

教えることはゴールに連れてくること

今日も長いです。 教えることは,子どもたちをゴールに連れてくることであると私は考えています。このことは,2022年11月30日にも書きました(https://ob1989.hatenablog.com/archive/2022/11/30)。現行の学習指導要領においては,3つの観点から明瞭に身につ…

一人見捨てない教育と誰一人取り残さない教育の大きな違いとは?

今日は長いです。 近年,SDGsが注目されてます。 SDGsとは,外務省に依れば,「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで…

冬芽

本学部族松本中学校には,附中梅園があります。梅の木が40数本植えられていて,毎年季節になると梅を収穫して近所のみなさまに安価で差し上げています。植林から管理,栽培,収穫まで生徒の手によって行われた伝統ある梅園です。季節には見事な梅の実を実…

STEM教材開発演習

昨日,本学教職大学院の選択科目STEM教材開発演習の一環で,本学部附属中学校にて公開授業が行われ,受講生ともども参観に行ってきました。小学校での授業実践は少しずつ報告されるようになってきていますが,中学校でのSTEM教育の授業実践はまだ全国的にも…

予備実験

小学校免許取得を目指す理科教育コース以外のコースの学生のみなさまの,小学校の理科の授業づくりが始まりました。子どもたちに事実を見せる,小学校の理科の授業に欠かせないものは観察,実験です。その予備実験に,受講生のみなさまが挑戦して始めていま…

最新の科学情報

この土日に,初級CSTの取組の一つである最新の科学情報の集中講義が学部において対面で実施されました。本学部では担当教員がいないがために学ぶことのできない内容に関して,最先端の研究者を招聘して講義してもらう試みです。今年で14年目です。本年度は…

理科って何の役に立つの?

理科は将来役に立つ教科としての位置づけが低い教科の一つです。国語や算数,英語に比べると,理科って勉強して何の役に立つの?と言われます。以前にも書いたと思いますが,実際に,ある中学校第1学年の『学び合い』ライブ出前授業に出かけたときに,授業…

教職大学院成果発表会

昨日は,本学教職大学院の成果発表会の一日でした。M2のみなさまは一人30分の口頭発表,M1のみなさまはポスターによるインタラクティブセッションです。2年間,1年間取り組んできた研究成果を披露する機会でしたが,みなさまとても聞き応えのある素晴らし…

『学び合い』と学び合いの大きな違い

昨日に続いて,分かった子と分からない子に関する話題です。分かった子が分からない子から教えてもらうのが『学び合い』の考え方のコツです。通常,分からない子が分かった子から教えてもらうことだけが想定されるでしょうが,実は教育の場においてはそれば…

集団の文化づくり

分かった子と分からない子がいるとします。通常の授業の場合,理解の様子は一人一人が違っていて当たり前なので,そのような現象が現れるのはいつものことでしょう。日本の学校教育の場合,通常,分かった子が分からない子に教える構図を思い描くことでしょ…

インタラクティブ・セッション2回目

4年生の教職必修科目である,教職実践演習の授業で昨日,インタラクティブ・セッションの2回目が行われました。コースごとに行われますので,私たちは理科教育コースの担当です。理科教育コースの4年生全員が一人一人発表しますが,それをコースの3年生…

子どもたちの凄い学びに舌を巻いた

『学び合い』の考え方を先生方が全員で共有されて授業実践に取り組んでいる学校におじゃまして,数学と家庭科の『学び合い』の考え方の授業を参観してきました。先生方全員で考え判断して研修を推進しているだけあって,私の出前授業を遙かに凌駕する見事な…

決まり文句

『学び合い』の考え方は,信じて任せること自由に選択させること外化(Output)させること決定権を委ねることそして,折り合いを付けることです。 決まり文句は,「考えたことをやってみようよ。遠慮しなくていいんだよ。」「失敗したっていいんだよ。何回でも…

『学び合い』の効果ですか?

『学び合い』の考え方を全員で共有して授業を行ったときに成果を上げると,よく言われることは,それは『学び合い』の考え方の効果なのですか?です。ご指摘の通り,挙げた成果が『学び合い』の考え方によるものであるのかどうかを結論づけることはなかなか…

セミナーを終えて

昨日は,第21回臨床教科教育学セミナー2021がオンラインで開催されました。学部4年生の発表もあり大学院生の発表もあり,充実している様子がよく伝わってきています。また,大勢のみなさまが参加されておられて闊達な議論がなされたことが印象的でした。…

何回でもやり直せばいいだけなんだから

日本の学校教育においては,授業ではトライしたらエラーを起こすこと,教師が期待する答えではない答えが出てしまうこと,期待されない結果や考えを出すことは認められない文化があります。認められないというと語弊があるかもしれませんが,認めてもらいに…

冬支度

スズメが冬に向けて体を大きく丸くしています。羽根の間に空気の層を作ることをして断熱と保温を工夫します。寒い冬を乗り越えるために体に施す生きる術です。植物もそうですし動物も同じです。冬眠に入る動物もいます。卵で冬を越す動物もいます。いずれもD…

スギぼっくり

スギぼっくりの下半分のかさが開きました。種子を飛ばす機が熟したのでしょう。かさが開くのは下から順番なのだなあとはじめて観察しています。雪が降る前に種子を飛ばそうとしているスギの戦略が見て取れます。生き残るための賢い術です。今年はスギぼっく…

分身ロボットで得る学び

日曜日の新聞に,久しぶりにOriHimeの話題が載っていました。興味深く読みました。東京で投稿しづらくなった小学生が徳島の小学校に分身ロボットOriHimeで参加し籍を移し登校し始めるようになったという内容です。その子が不登校の子が増え続けている現状に…

初霜初雪

長野市で初雪が降り,初霜を観察することができました。例年より早いような気がしますが,寒くなった証拠です。昨年度,始めて霜を見ました。霜とは,冬の早朝などに地面や草の葉の表面に付着する氷の結晶で地表面が放射冷却などによって冷え、その上に空気…

たとえ形だけ整えて表面だけをなぞったとしても

先日,パラダイム転換について書きました。『学び合い』の考え方では,このパラダイム転換をすることが重要で大切です。パラダイム転換をしないまま,できないまま,子どもたちに任せるとかを表面的に模倣して取り組んでも,絶対にうまくいきません。絶対に…

講義で感涙

先日,学部の講義で泣いてしまいました。泣いたと言っても大声でえーんえーんと泣いたわけではありませんが,涙がこぼれてしばし目頭を押さえてしまったのです。私の講義は,最後に受講生のみなさんからいくつかのグループに分かれて,自分の考えについてま…

みんなに公にしても受け入れてもらえる

自分が分からないということを集団内のみんなに,それもその状態が分からない子がだれもいないつまり全員に自分は分からないんだということを知られることは,私の経験上,勇気を必要とすることです。私は昔の教育を受けた人間ですから,恥ずかしい,卑下す…

教師のパラダイム転換が必要

『学び合い』の考え方のいちばんの特徴の一つは,教師のパラダイム転換です。私のこれまでの経験上,日本の学校教育においては,通常,一度教えたら分かって当たり前という前提で授業が行われているのではないかと思われる節があります。少なくとも,大学の…