信濃の国からこんにちは

三崎隆です。長野県長野市の信州大学教育学部で『学び合い』(二重括弧の学び合い)を研究しています。 「信濃の国からこんにちは」は私たちの『学び合い』研究室の研究室通信です。メールアドレスは、misakiとshinshu-u.ac.jpを「@」で繋げて下さい。詳しくは,https://taka433ki.jimdofree.com/をご覧ください。

太陽は何色?

 みなさんは太陽を何色で描きますか?昔,太陽を赤い色ではなく自分の独自の色で描いたところ,そのときの学校の先生から注意されて,それ以来,絵を描かなくなったという話を聞いたことがあります。太陽は何色なのでしょうか?日中と日の出日の入りのときの色は若干違いますから,一概にこの色ということは言えないでしょう。その先生は太陽は赤い色としていたようです。日の出と日の入りのときの太陽はオレンジ色に近い色になりますが,日中は白い色ではないでしょうか。眩しすぎて直視はできません。しかし,間違いなく赤い色ではありません。
 日の出と日の入りの時は,太陽光線が大気中を通るときに日中よりも長い時間大気中を通るために,青い色が粒子にぶつかって散乱して地上まで届かないことによります。そのため,オレンジ色に見えるのです。日中は,太陽高度が高いために,青い色の光線も地上に届くので白くなります。
 理科の授業で学ぶ色もなかなか事実を確認した後には難しいです。デンプンを検出するヨウ素液は青紫色になりますが,薄いと青い色に見えますし濃いと黒い色に見えてしまいます。青紫色と答えないと×です。青紫色はこのとき初めて学びます。リトマス試験紙も青と赤が出てきますが,水色とピンク色に見えます。青いリトマス紙が赤くなると覚えますが,実際には水色が薄いピンク色になるというのが事実です。ベネジクト液も赤褐色になりますが,赤褐色という色をここで学びます。黄褐色も茶褐色も現れます。結局,教科書で覚えることになるので,その経験が続くと,教科書で覚えることが定着してしまいます。
 冒頭に戻れば,太陽は赤い色と覚えるようになるのでしょう。教科書を覚えるだけの子どもたちを育てたり先生の言うことを聞く指示に従うだけの子どもたちになったりことは本来目指すべき教育ではないのではないでしょうか。価値観を押しつけられているわけではないでしょうが,こうでなければダメだという文脈ではなく,多様な表現が認められるようになる文化を大切にしたいと思うところです。

腰が引けている

 はじめて管理職になった時に言われたことを思い出します。腰の引けた教師にしないように指導しなければならない。腰の引けたというのは,学校現場の諸問題に対して逃げ腰にならないように,当面の問題から目を背けて正対して立ち向かうことができないようにならないように,という意味です。後回しにして先送りしたり,自分で対処せずに誰かに責任等を押しつけて逃れたり,ということも含まれています。
 生徒指導の「さしすせそ」を何度も書いてきました(直近ではhttps://ob1989.hatenablog.com/archive/2020/02/04)。現場での諸問題への対応の基本であると捉えています。起きてしまったことは理由の如何はあるにせよ,起きてしまったのですから時間は戻りません。なぜあのときこうしなかったのかとかあのときの指導が間違っていたんだとか言っても前には進みません。これからどうするのか,どうすることが最善ではないしても最良なのかを一緒に考え判断し具体的な行動として起こしていくことが必要であり重要でありかつ大切です。
 今,どうしたら良いのか,今日中にどうしたら良いのか,明日どうしたら良いのか,1週間後にどうなっていたら良いのか,1か月後にどうなっていたら良いのか,1年後にどうなっていたら良いのか,そして20年後にどうなってほしいと願っているのかをみんなで一緒に考えましょう。

教育の大切なところ

 小さい頃に,自分の足りないところを指摘してもらってより高い資質・能力の獲得を目指して教育を受けることは大切なことです。おまえのここがだめだからこうしなさいとか,ここはもっとこうすべきだとか,なんでこんなことができないんだとか,こうしろと言ったのになんでできないんだとか,どんなことをどんなふうにやっても自分ではがんばってやったつもりでも必ず,褒められることなく,もっと高みを目指したアドバイスが受けられます。それはそれで今なら魅力的な育て方であるとは思えるようになっていますが,子供心にとっては,また怒られたという気持ちしかないものです。
 おまえはだめだ,特にだれかと比較されてあいつはこうなのにおまえはだめだと言われ続けると,自分はだめなのかあいつよりもだめなのか,と思うようになります。言われ続けると,それが自分の客観的な評価規準と評価基準として定着するようになります。歳を重ねて,就職時になって「あなた自身をアピールしてください」と言われると,自分にとってアピールできるところなどあるのか?と疑問を抱くようになります。小さい頃から,おまえはだめだ,あいつに比べるとだめだと言われてますから,自分のだめなところは指摘を受けているところであるとよく分かりますが,自分の良さなどどこにあるのか見つけようがありません。
 自分の評価がだめなところを基準としているので,それが当たり前になってしまっていて,だめが当たり前の評価です。育てられた文脈下では,だめなところが良さに変わることなどあり得ません。その意味においては,リフレーミングは画期的な手法のように思えます。だめな自分をアピールさせてもらえる魔法の言葉のようであるからです。
 親にしてみれば教師にしてみれば,自分の子どもたちにはこうなってほしいという高みがありますから,要求は自ずと高くなり不足しているところはもっと伸ばしたいと思うのは山々であることは今なら十分に理解できますが,それもバランスが必要です。
 「可愛くば 五つ数えて三つ褒め 二つ叱って良き人となせ」。これは江戸時代の農政家の二宮尊徳が子どもの叱り方について述べた言葉であると言われています。子どもを叱るときにはまず5つ数えて気持ちを静め,3つのことを褒めて,それから2つ叱りなさいと。怒ると叱るは違うことであるとよく言われます。誰にでも必ず良いところはたくさんあります。それを,日々の生活の中で,そのときの学びの一端の中で見つける努力を怠らず,子どもたちの良さを伝えてあげたいものです。

続く依頼

 来年度の『学び合い』ライブ出前授業の依頼が続きます。この時期は,来年度の年間計画を立案し始める時期と重なっていることに依るものでしょうか。この新型コロナウイルス感染症の感染状況がなかなか収束を見せない中,ご依頼が続いていることに心から感謝しています。当研究室のホーム・ページ(https://taka433ki.jimdofree.com/)にオンラインでの出前授業を実施していますと載せてありますが,ご覧になってご依頼くださる学校もあり,有り難いことです。みなさまのご依頼とご期待に応えられるよう力を尽くします。どうぞよろしくお願いいたします。

人生を豊かにする生き方

 昨日の教職実践演習の授業でのB4のみなさんとの討論を通じて,考えました。人生を豊かにする生き方とは具体的にどのようなものなのでしょうか。彼らは彼らなりにしっかり考えてくれています。もう2か月もすると,卒業して自分の道を歩んでいくことになります。考えていて当たり前であると思います。それなら自分はどうかと問われて,自分にとって人生を豊かにする生き方は,やはりいろいろな人たちとかかわってコミュニケーションし違った価値観を知ってそこから多くを学ぶことであると即答しました。
 B4のみなさんと一緒に200分語り合いましたが,彼らとブレイクアウト・セッションでビデオ・オンで語り合ったり全体で「三崎先生はどうですか?」と問われたりしながら,自分はどうかと常に考え続けます。そんな彼らから学ぶことが多くあり,なるほどと思ったり自分もまだまだがんばろうと勇気と元気をもらったりすることそのものが,まさに自分の人生を豊かにしてくれていることを実感します。
 そんなことをリフレクションできる環境をくれた彼らに感謝します。人は人との文脈の中で変わるもの,変わるというのは意欲が増し考えるようになり学び価値観や生き方を変え,成長するものです。

教職実践演習の講義

 昨日は,教職実践演習という科目の最後の講義でした。教職実践演習は,教員免許を取得する上で学部4年次の最後の後期に位置づけられている必修科目です。単位取得できなければ免許取得も卒業もできない重要な科目の1つです。議論のテーマは次のとおりです。各人が広い視野から深い考えをもって語り合っている姿に感銘を受けました。彼らの未来に幸あらんことを祈ります。
(1)学部4年間の臨床経験科目を振り返り,その中での理科教育コースでの専門性(子どもにとっての学ぶ意味)を以下の観点で考える。
・自分自身の経験から
・他者(コース内)の経験から
・具体的な子どもとのエピソードがあるとよい
(2)臨床経験の学びから「これからの生き方」を見つめる。
・教員として大事にしたいことを考え語り合う。
・新しい環境での生き方を考える。

全体ゼミ

 一昨日は本年度最後の全体ゼミでした。B4のみなさんの第55回卒業研究発表会のリハーサルでしたが,発表してくれたみなさんはいずれも見事な内容と発表の様子で惚れ惚れします。1年間頑張ってきてくれたことに心から感謝します。全体ゼミの最後には,B4のみなさんから後輩へのメッセージが寄せられ,来年度への期待が語られました。ゼミ長はじめB4のみなさんの1年間の苦労をねぎらうとともに,全体ゼミを1年間牽引してきてくれたことに心から感謝します。卒業後の4月からの活躍を期待しています。