信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』教育学

ひらめきを得るとき

教育研究に携わっていると,自分の専門とは異なる分野の情報を得るようにした方が良いとよく言われます。自分の専門分野だけではなく幅広くネットワークを張って情報の収集を心がけることによって,ひらめきが突然やってくる可能性が増すことに依るものでは…

折り合いを付けることは難しい

折り合いをつけることは難しいことです。それはいつでも感じることです。どうしても,自分の考えにはこだわりがあって,そのこだわりはこだわりを持つに至る背景があるだけに,こだわり続けたくて,その考えを改めることはなかなかやっかいなことだなあとい…

今日の目的は何?

日々の生活に追われていると,どうしても目的を忘れることがあります。忘れると言うよりも後まわしにしてしまうと言った方が良いのかもしれません。その場のそのときの目の前のことをなんとかしなければならなくなってしまうことによって,そもそもそのとき…

折り合いを付けられるかどうかの分かれ目

折り合いを付けられるかどうかの分かれ目はどこにあるのでしょうか?換言すれば,折り合いを付けられるかどうかをどのように判断しているのでしょうか?○○は絶対に折り合いを付けることはできないから,自分のこだわりを押し通さなければならないと思うのか…

『学び合い』の考え方で20年近く

『学び合い』の考え方を使い始めて,20年近くが経とうとしています。「『学び合い』入門-これで分からない子がだれもいなくなる!-」(拙著,大学教育出版,2010)が出版されてから,14年です。色あせるどころか,ますます『学び合い』の考え方の重要さ,大…

異学年で学ぶこと

異学年の良さは随所で語られていますから,改めて申し上げることではありませんが,その良さは日常的なものであると感じます。私たちの日常生活の中では,自分の周りを見ても,異学年の集団構成ではない集団はまず見当たらないと言っても過言ではない文脈が…

今何をすべきなのか知っていますか?

授業を受けている子どもたちは自分が今何をすべきなのかをよく知っているのでしょうか? その答えを見つけるためには,その授業で学ぶべきこと(何を学んだら良いのか,どのように学んだら良いのか,その学びがこのあとどのように活かされるのか)を自分ごとと…

人としてどうなのか

教育基本法の第1条には教育の目的が書かれています。「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」日本において,教育は人格の完成を目指して…

準備が命

食堂やレストラン関係の仕事をしている方は,店を開くまでの準備が命であるということを聞いたことがあります。食堂やレストランに限らず,食料品を扱う業務に携わっておられるみなさま方は一様にそのようなのではないでしょうか。お客さんが来ると余裕がで…

相手の考えを知るには

相手が考えていることを知るには3つの方法があります。一つはしゃべってもらうこと,一つは書いてもらうこと,一つはパフォーマンスしてもらうことです。ただ,3つめのパフォーマンスしてもらうことに関しては,頷いたり手を挙げたりすることも含まれますが…

本日の学びは何か

『学び合い』の考え方は,課題がポイントと言われます。あれもこれもとたくさんの願いを込めてしますとみんながみんなでゴールに辿り着くことはなかなか難しくなります。その単位時間において,何が本質的な学びなのかをよく考えて焦点を絞ることをお勧めし…

分かっていない子が誰かを知っていますか?

今日は2007年10月16日のブログから少し引用して,それに若干加筆修正してお伝えします。 授業中の生徒の会話の中に次のようなものが現れました。「雲って気体でしょ?」「気体じゃ見えないじゃん。」「曇って液体と固体じゃないの?」,「(授業者から実験の…

トークの時間

フリー・トークの時間,質問トークの時間,質問タイムの時間などなど,誰に対してもどんな内容でもいつでも何度同じことをおしゃべりしてもOKの時間があることは幸せなことです。無礼講という表現がありますが,何を語っても何回同じことを語っても誰に対…

同じことを同じ人に何回も聞くことはダメなことですか?

同じことを同じ人に何回も聞くことはダメなことですか?同じことを別の人に聞くことならダメなことではないのですか?あなたはどのように考えますか? 日本の学校教育においては,一度説明があったこと,一度授業で話されたこと,一度教えられたことについて…

同じことを何回も聞くと

この歳になると,同じことを何度も繰り返して聞くと,大丈夫かと心配されかねません。さっき話したでしょ,と苦情を言い換えされかねません。 しかしながら,一度聞いても分からないことは自分が納得するまで何度でも同じことを聞き直すことが重要で大切です…

同じ人に同じことを何回聞いてもいいんだよ

私たちは,分からない人に何かを教えてあげようとしたときに,相手の分からないことが分からないそのときにすぐに解決できるように慮って「いつでも聞いてね」と言うことがあります。『学び合い』の考え方では,分からないことを解決に導いてくれるゲート・…

分からないことは分からないそのときに

分からないことが出てきたら,分からなくなったそのときに解決に至るのが一番好ましい方法です。分からないことをなんとか解決したいと思う気持ちが生じているということは,そのときの分からないことを解決しようとする意欲が最も高まっていることの証だか…

冬休みになると

冬休みになると,冬休みになるとというよりも冬休みになる前に,子どもたちは冬休みの計画を作ります。自分で自主的に作るのか,先生に言われて作るのかは別として,計画を作るときには目標とゴールを設定します。この冬休みを終えるときに自分はどのような…

正解のない課題

『学び合い』の考え方では,単位時間の授業の時の課題が勝負だとよく言われます。課題をどのように設定するかによって,子どもたちのゴールへの到達の様子やその過程が影響を受けるからです。 課題も,通常ならば,正解が一つだけある課題を作ることに慣れて…

考えて,判断して,行動する

私たちは,いろいろな場面で,考えて判断して行動することが求められます。いろいろな場面というのは,決して学校現場だけに限ったことではなく,日常生活のありとあらゆる場と機会において,考えて判断して行動することが求められていることに異論はないで…

見通しを持つことの大切さ

学ぶ側が見通しを持つことは大切です。それは,『学び合い』の考え方だから言われることではなく,昔から,昔というのは私が小学生のころからつまり60年前から,私が小学生のころに言われていたと言うことは日本の学校教育においてもっと以前から言われ続け…

これって『学び合い』の考え方じゃない?

学部の授業で,今,イルミネーションでのものづくりをしている学生たちがいます。ゼロからの出発なのでまさに今盛んに言われているデザイン思考を縦横無尽に駆使していますが,ゴールが明確になっていて,アプローチを自分たちで考えて決めることができて,…

子どもたちの学びを待つことができるか?

みなさまは授業において,子どもたちの学びの進み具合を待つことができるでしょうか?じっと,あせらずに,子どもたちの学びが生起するのを,子どもたちの学びが充実していくのを,子どもたちの学びが発展していくのを,子どもたちの学びが主体的になるのを…

出力させてみたそのときに

昨日,理解するには出力が必要であることを書きました。あなたの授業では,毎単位時間,子どもたちに出力させてあげていますでしょうか? 出力する際には,子どもたちの理解が十人十色なので,すぐに理解できる子どもたちもいれば理解に時間がかかる子どもた…

問題を出し合う

目標達成する子どもたちが増えてくると,つまり目標達成できていない子どもたちが限られてくると,初期の頃は,目標達成できていない子どもたちを助けようとして目標達成できた子どもたちが大勢集まってくる現象が現れます。みんなでなんとかしてあげようと…

みんなができていないことを

自分が目標達成すると,目標達成できて良かったと一安心します。そこでとどまるかどうかが分かれ目かもしれません。学校の授業はみんなができることが大切なんだから,みんなができていないことをどう思う?と問うてみたいです。目標達成できていないことは…

誰が考えるのか

『学び合い』の考え方では,はいどうぞと言って子どもたちに委ねる活動時間を取ります。その時間帯は,子どもたちが考える時間帯です。子どもたちが自分で考え,自分で判断し,自分で行動を起こす時間帯なのです。決して,授業者が考えたことを子どもたちに…

授業者の心が折れるか子どもたちが動き出すか

『学び合い』の考え方は,考え方を子どもたちと共有します。その考え方に納得できて共感したら子どもたちが動き始めます。ところが,考え方に納得できるようでないと共感できませんから子どもたちはなかなか動き出してくれません。授業者としては困ってしま…

日本の文化

野球のWBCでコーチを務めた白井氏が出版した書籍の中で,日本には一生懸命頑張る文化はあるけれども自分で考え判断し行動する文化はないと書いていました。日本の学校教育においても,当てはまるところがあるやに思うところです。 学校現場では,頑張りまし…

自分で考えます

『学び合い』の考え方は,困っている友だちがいたとき困っている友だちを助けるために自分には何ができるのかを考えます。そうすると,自分のそれまでの学びをリフレクションして自己更新することができます。いわゆるメタ認知が起きます。自分の得になりま…