ある記事で,弱者と強者の違いに関するスポーツ心理学者のコメントを読む機会がありました。
弱者はないものを望むのだそうですが,強者はあるものをどうすべきかを考えるのだそうです。長い内容の文章の中から一部を切り取っているだけなので,真意はうまく伝わらないかもしれませんが,このことは何もスポーツのアスリートだけに限ったことではないように思われます。我々の日常生活においても,十分に当てはまります。
『学び合い』の考え方における折り合いの付け方と通じるところがあるやに思えて仕方がありません。ないものを望んでばかりいて,それがないからできないと主張されるよりも,今あるもの,たとえそれが限られている場合であったとしても,今あるものをどうすべきかを考えながらゴールに向かうことが,みんなでみんなができる環境を創り出していくことに直結するのです。
ないものをみんなの総意で創り出していくことも大切ですが,限られた時間の中で,時間が無限にあるわけではないので,その時間の中で,あるものをどうすべきなのかを検討することの方が有意義であることが多いものです。
今あるものをどうすべきなのかをみんなの総意でひねり出していくことが生産性の向上をもたらすのです。みんなでみんなができるゴールへの近道です。