時間が限られている中では,どうしても効率的に事を前に推し進めようとします。ときには,焦ってしまうこともあるくらいです。時間が限られているだけに,時間が終わるときには自分で想定した一定程度の成果を得られるようにしたいと思うのは誰しも同じことであろうと思われます。自分で想定したそのときの状況が認められない場合には,どうしても自分の想定した状況に至らせようと無理が生じやすいものです。私のこれまでの経験でも幾度となくありました。
そんなときに,子どもたちの学びの様子を見守って,彼らの学びの生起とその促進を待つことはなかなか難しいものです。教師としては,ゴールをはっきり見据えているだけに,自分で振り返ってみても,どうしても無理にでも指導したくなるのは仕方のないことかもしれません。『学び合い』の考え方では,待つことを推奨しています。子どもたちが自らの必然性を持って学びを始め,トライ・アンド・エラーしながらも,それを推し進めていく原動力の発現を待つことです。言いたいことをぐっと我慢して飲み込んで,温かく見守ってあげたいものです。たとえ,結果が出なかったとしても,どうして結果が出なかったのかを子どもたち自身に考えてもらいたいものです。子どもたち自身に考えてもらって判断してもらって,次の行動を起こしてもらいたいものです。たとえ,それがエラーを起こしたとしても,です。エラーを起こしたらまた考えてほしいのです。待つことはなかなか容易なことではありません。でも,誰でもできることなので,あなたにも必ずできます。