信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

期待しない目標達成が現れたら?

 『学び合い』の考え方を使って授業する場合,子どもたちに任せた場合,教師の期待していない結論になったらどうするのですか?という質問を受けることがあります。そのようなときには,2つの手立てを取ることが考えられます。ただし,これと同じ手立てを取らなければ『学び合い』の考え方に共有できていないということではありませんので誤解のないようにして読み進めてください。
 一つは,はいどうぞ,が始まって教育活動途中ですでに教師の期待する結論と異なる方向性が見いだされた場合には,その場で,全員に情報を伝えることができるように大きな声で「あれっ,○○って書いてあるけど,それってどうかなあ。まわりの人と違っているようだけどなあ。」のような可視化を行います。あるいは「あれっ,それってちょっと違うんじゃないかなあ」と可視化することもできます。リアルタイムで軌道修正を図ります。一つは,最終的に全員が教師の期待しない方向に行ってしまってみんなで納得してしまっている場合には,次時に語ってあげたいものです。「この前の時間に,みんなが納得したようだけど,それって大丈夫かなあ」のような語りだしで,軌道修正を図ります。
 それを避けるためにも,回答例を示しますが,先日書きましたとおり,子どもたちのプライドと自信にかき消されてしまうこともあって,実際の授業では困ってしまうことがあります。この前の出前授業でもそのような状況が生じました。子どもたちに対しては,自分で考えて判断したことを実際に実行してみたのだけれども,それだと目標達成には十分ではなかったのか,ということを理解してもらい,エラーを起こした次にまた新たなトライをしてもらえるような語りが求められます。
 「この前の力試しで,みなさんの中には○○と書いた人がいますが,それってどうかなあ?みんなはどう思う?先生はねえ,△△なんじゃないかと思うんだけど,みんなはどう思う?次にやってみる機会があったときには,どうしたら良いかなあ?どうしたらよいのかをもう一度考え直して挑戦してみようよ。」エラーを起こしたときには,エラーを起こした子どもたちに考え直しを促して,もう一度挑戦させましょう。言わずもがなですが,その子だけに語りかける個別指導ではなく,クラス全体に語りかける全体指導がコツです。