信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

どちらが先に動き出すのか?

 出前授業に行くと,その教科等の得意な子どもたちと苦手な子どもたちのどちらの方が動き出すのか?ということが話題になることがあります。つまり,得意な子どもたちが問題解決できたので動き出すことが多いのか,それとも苦手な子どもたちが問題解決できなくて分からなくて困ってしまって動き出すのか,ということのどちらなのでしょうか。私たちの研究室で,学部4年生がそれについて調べてみたことがあります。結論から言わせてもらえれば,統計的な有意差は認められませんでした。つまり,得意な子どもたちが動き出すことと苦手な子どもたちが動き出すこととは,差がないということです。感覚的,経験的には,得意な子どもたちの方が先に動き出し,かつ活発に動いているように思われますが,そうではないということに驚きます。分からないときには,その子なりになんとかしなければという思いが強くなるからなのでしょうか。それだけ,『学び合い』の考え方がみんなに共有されているということなのではないか,と独りごちています。今回の出前授業では,いちばん最初に動き出したのは,困っていない人コーナーにネームプレートを動かしに行った,おそらくその教科等が得意な子なのでしょう,遠慮がちに動き始めました。ちなみに,いちばん最初に声出ししたのはおそらくその教科等の苦手な子であろうと思われます。「遠慮してる?遠慮しなくていいんだよ。」「いつでも動いていいんだよ。」「どこへ行ってもいいんだよ。」「分からなくて困ったら,いつでも助けてもらっていいんだよ。」「分からなくて困っている人がいたら,声をかけてあげていいんだよ。」