信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

みんなに公にしても受け入れてもらえる

 自分が分からないということを集団内のみんなに,それもその状態が分からない子がだれもいないつまり全員に自分は分からないんだということを知られることは,私の経験上,勇気を必要とすることです。私は昔の教育を受けた人間ですから,恥ずかしい,卑下する,バカにされる,仲間はずれにされる,いじめられると思ってしまうのです。ですから,小学校時代,中学校時代は,分からなかったとしても絶対に周りの人には知られないように,分かったふりを一生懸命していたものです。分からなくても,うんうんと頷いたり,分からなくても分かったふりをして鉛筆を一生懸命動かしたり,今思えばなんとも涙ぐましくもありあきれてしまうこともあり,情けなくなってくるようです。
 『学び合い』の考え方は,それを公にします。分からない子にとってはものすごく勇気のいることです。しかしながら,恥ずかしい,卑下するとも思ってしまいかねないような自分の分からなさを公にしたときに,周りの子どもたちがそれを寛容に受け入れてくれるところが『学び合い』の考え方の凄いところです。『学び合い』の考え方でなければ,そうはいきません。前述のように仲間はずれにされかねません。
 『学び合い』の考え方のいちばんの特徴の一つは,自分の分からなさをいつでもどんなときでも何回でも集団内で公にできること,集団内で分からない子がいたらそれをいつでもどんなときでも何回でも受け入れてあげることのできること,です。私が『学び合い』の考え方にこだわり続けるいちばんの魅力であり理由でもあります。