信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

理科の授業は問いに始まり問いに終わる

 私の担当する,学部の中学校の理科免許取得のための”各教科の指導法”の科目の講義では,「理科の授業は,問いに始まり問いに終わる」と語っています。各教科書会社の教科書,小学校も中学校も,を見れば一目瞭然です。小学校では問題解決の過程の,中学校では探究の過程の,それぞれのいちばん最初の段階には,必ず問いがあります。小学校でも中学校でも,自然の事物・現象の中から,自分で問いを見つけて,小学校ではそこから問題解決の過程が進みますし,中学校ではそこから探究の過程が始まります。問いがないところに,問題解決の過程も探究の過程も始まりようがないことは自明です。
 問いから始まった理科の授業は,小学校では問題解決の過程を経て問いが解決しますから,最後には問いに帰ります。中学校でも探究の過程が幕を閉じて問いが解決するのです。私たちは自分で見つけた問いを解決するために,どのような方法で探究したらよいかを考え判断して,観察,実験という行動を起こすのです。一連のその過程は,問いがあればこその営みです。問いのある展開が,理科の授業の生命線と言えます。