信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』教育学]ゴールが分からないと目先のことの解決が優先する

 ゴールが分かっていると,そのゴールに向けていつまでに何をどれだけやっていけば良いかを自分で考えて判断でき,それに基づいて行動を起こすことが可能です。起こした行動をリフレクションして軌道修正も可能です。すべて自分の責任,自分の考えと判断と行動で遂行できます。
 ところが,ゴールが分かっていないとどうなるでしょうか。ゴールが分からなければどこに向かうのかが分かりませんからどう考えて何を判断して良いのかに戸惑いを感じます。やるべきことは,それこそ,今目の前にある問題や課題をなんとかクリアすることに集中するのではないでしょうか。言われたことはできますが,言われていないことはやりようがないでしょう。ゴールが分からないのですから。
 自分で判断したゴールが,周りから求められているあるいは自分に期待されているゴールと違っていたとしたら,自分の判断したゴールに向かう意義は薄れます。たとえ,自分で判断したゴールに辿り着いたとしても,自己満足と呼ばれるに近いような充実感や満足感しか得られないのかもしれません。
 言われたことしかやらなくて困っている状況が生じているとしたら,こちらが期待するゴールを明確に示してあげたらいかがでしょうか。それも最初に,です。ご存じの通り,各スポーツには最初から明確なゴールがあります。そのゴールに向けて,選手たちは自分で考え判断して行動していくのです。もし可能なら,ゴールを示してあげた後に,ゴールまでのアプローチを彼らに任せてみてはいかがでしょうか。彼らの思わぬ姿を見ることができるかもしれません。