信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

日本の文化

 野球のWBCでコーチを務めた白井氏が出版した書籍の中で,日本には一生懸命頑張る文化はあるけれども自分で考え判断し行動する文化はないと書いていました。日本の学校教育においても,当てはまるところがあるやに思うところです。
 学校現場では,頑張りましょう,とは言われている場面を見ることはありますが,自分で考え判断して行動しましょう,と先生が子どもたちに言っている場面に出会ったことがありません。私自身も頑張りましょうとはかなりの数かなりの場面で言ってきた記憶はありますが,自分で考え判断して行動しましょうと言った記憶は平成19年以降です。
 一般的に,子どもたちから相談された場合には,何かしらのアドバイスをして頑張りましょうという文脈になります。何もアドバイスせずに,ただ自分で考え判断して行動しましょうということはまずあり得ないのではないかと思うところです。アドバイスをしたとしても最後に,でも決めるのは自分だから自分で考え判断して行動しましょうとは言わないように思いますが,いかがでしょうか。特に,小学校や中学校の場合はそうではないでしょうか。私の場合は,学生のみなさまから相談を受けた場合には,最後には自分で考え判断して行動しましょうと言う文脈です。
 教科等の授業の場合も同じです。一般的な授業を思い浮かべてみれば,授業者が一通り説明した後に,さあそれでは頑張ってやってみましょう,ではないでしょうか。授業者が一通り説明した後に,さあそれでは自分で考え判断して行動しましょうとは言わないはずです。
 今,自分で考え判断して行動する集団がことごとく成果を上げていることが報道されて注目されています。自分で考え判断して行動する文化を,日常の学校教育における教科等の授業において培っていってはいかがでしょうか?あなたの授業は,子どもたちが自分で考え判断して行動する授業ですか?子どもたちに対して,自分で考えさせ判断させ行動させている授業ではないですか?