信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

自分と相手の間には

 自分に真剣に相対してくれる相手には自分も真剣に相対するということを聞いたことがあります。そもそも,相手が自分に真剣に相対してくれるためには自分が相手に真剣に向き合わなければなりませんから,相互作用に他ならないと言えます。しかし,相手に対してなかなか真剣に立ち向かえない子どもたちがいることも事実です。そのような子どもたちに対しては,冒頭のような現象が現れるのでしょう。
 誰をも信じられなくなるような文脈を持っている場合には特にそうです。相手が自分に対してどのように接してくれるのかによってその相手に対する接し方を見極めていくようなところがあることが散見されます。
 『学び合い』の考え方で授業をする場合にも,周りの子どもたちが自分に対してどのように接してくれているのかによって自ずとその周りの子どもたちに対する接し方が影響を受けかねません。本当に自分のことを思って関わってくれる子どもたちに対しては,その子も本当に心を開いてその子どもたちに対する考え判断と行動を選んでいくのです。
 先生に言われたから,ではなく,本当にその子のことを考え判断し行動しているのであるならば,その子は変わります。その子とその子の周りの子どもたちとの間には,その子にしか分からない文化が横たわっています。