信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

自分の文脈と周りの人の文脈

 私たちがものごとを理解するときには,自分の文脈で理解します。ものごとを語るときも自分の文脈で語ります。

 自分が生まれてからこの方育ってきて身に付けた知識,技能そして自分の居心地の良さを醸し出してくれる自らの周りの文化の下で,ものごとを見たり聞いたり語ったり行動したりします。いわゆるバイアスがかかった状況で毎日を過ごしているからです。

 100人いれば,その文脈は100通り存在します。

 しかしながら,自分の文脈で理解し語り行動するときに,周りの人達の文脈で理解し語り行動することはありません。ですから,自分の文脈の中であれば理解はできますが,異なる文脈ではなかなか理解できません。

 先生の文脈で語られても,それは先生の文脈であって自分の文脈ではないので理解は難しいです。先生が自分の文脈の中に入ってくれたら理解もできるでしょうが,日常的つまり毎日の教科の授業でそのようなことはまずあり得ないことですから,1回聞いただけではなかなか難しいです。

 自分が先生の文脈に近づかない限り,無理です。換言すれば,先生の文脈に近い子どもたちは先生の文脈ですから,理解は容易です。

 先生の文脈で授業が成されれば,理解できる子は先生の文脈に近い子だけです。