信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

教師にとっての魔法の言葉「いいんだよ」

 子どもたちにとっての魔法の言葉が「一緒にやろう」なら,教師にとっての魔法の言葉は「いいんだよ」です。
 『学び合い』の考え方を使った授業は,子どもたちが考え判断し行動を起こすのを待つ授業ですが,それを自らに言い聞かせるとともに,子どもたちに対して決定権を委ねているぞと言うメッセージを伝える魔法の言葉です。
 以下,2018年12月19日のブログを再掲します。
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[『学び合い』教育学]子どもたちの判断とそれによる行動を待つ授業
 『学び合い』の考え方を使って授業をするときの授業者が心がけることの特徴がいくつかあります。その典型的な特徴が,「待つ」ことです。『学び合い』の考え方のキー・ワードであり良さであり,そして授業者のこころがけのキー・ポイントです。それを引き出す魔法の言葉が,「いいんだよ」です。子どもたちに対して「いいんだよ」と語りかけるのは,その一方で自分自身に対して「待つんだよ」と言い聞かせている言葉なのです。
 授業中に子どもたちに語りかけるのは,「おしゃべりしていいんだよ」です。これは自分自身に対して「子どもたちがおしゃべりし始めるまで待つんだよ」と言い聞かせている言葉です。「立ち歩いて動いていいんだよ」は,立ち歩いてうごくまで待つんだよという自分自身への言い聞かせです。そして「遠慮しなくていいんだよ」は,子どもたちが自分で考え判断し行動を起こすまで待つんだよという自分への言い聞かせの言葉なのです。
 ですから,『学び合い』の考え方を使った授業は,子どもたちの判断とそれによる行動を待つ授業です。
 「おしゃべりしていいんだよ」→「待つ」
 「立ち歩いて動いていいんだよ」→「待つ」
 「遠慮しなくていいんだよ」→「待つ」
 教師の思い描く型にはめようとして,子どもたちに「させる」ものではなく,子どもたちの持っている能力が表出するのを「待つ」という考え方に立脚するのが,『学び合い』の考え方です。ストレスのたまることもあるでしょうが,そこはじっと我慢して「待つ」のです。子どもたちにはそれだけ力があるのですから。それが『学び合い』です。
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