信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』教育学

リフレクションで”みんなで”を考えさせたい

『学び合い』の考え方では,授業の最後にリフレクションをします。みんなでみんなができることを求めますが,みんなができたとしたら何が良かったんだろうかと,みんなができなかったとしたら何が足りなかったんだろうか,と,考えてみようよ,と子どもたち…

とんでもないことをやっていると思われがち

『学び合い』の考え方は,日本の学校教育のこれまでの流れからすると,何かとんでもないこと,180度違うことをやろうとしているように誤解されますが,話をさせてもらえるならば実はそうではないことを分かってもらえます。その単位時間の達成すべきことを授…

久しぶりの機会

気心の知れる方と久しぶりに話をする機会がありました。とても嬉しく,楽しく,試みたさせる場と機会でした。学校現場で学ぶ子どもたちもおそらく,同じ状況が生じていることと推察できます。日常の教科等の授業において,自由に探究できるような場と機会が…

なんちゃって『学び合い』

世に言うところのなんちゃって『学び合い』と呼ばれる形態の授業があります。勝手に推測するに,『学び合い』の考え方に共感してはいるけれども,実際の授業では少しだけ取り入れているというところでしょうか。その”少し”がどの少しなのかが注目されます。…

『学び合い』でいちばんやっかいなこと

『学び合い』の考え方で授業をしようとしたときに,いちばんやっかいなこと,いちばんやっかいかどうかは実践者によって異なるので,一概にいちばんやっかいなこととは言い難いかもしれませんが,私が一番やっかいだと思うことは,子どもたちを信じることが…

信じて任せることの大切さ

『学び合い』の考え方によって授業をしている学校をお邪魔すると,子どもたちを信じて任せることがいかに大切であるかということを教えてもらうことができます。学習指導案の指導観にも子どもたちを信じて任せたいという理念が明示されている上に,展開のあ…

みんなができること

『学び合い』の考え方では,1単位時間の中でみんなができること,みんなが目標達成できることを求めます。それも,みんなでできることを求めるのです。経験をお持ちの方ならお分かりでしょうが,みんなができることは簡単そうに見えますが,これがなかなか…

相互承認観の第一歩

自分のことを認めてほしいと思うのは誰しも共通した思いなのではないかと思います。自分のことだけ認めてほしいと思うだけでなく,相手のことも認めてあげようと思うことが大切です。相手のことを認めてあげてこそ,相手から自分のことを認めてもらえること…

字のない葉書

学部の臨床経験科目の講義で受講生のみなさまが模擬授業をしました。字のない葉書を教材とした模擬授業です。どんな内容でしょうか,誰に出そうとした葉書でしょうか,と子ども役のみなさまに語りかけます。それを受けてディスカッションした子ども役のみな…

『学び合い』は演繹的?

『学び合い』の考え方は,誤解を恐れずに言わせてもらえれば,どちらかと言うと,演繹的であるように思います。演繹的であるという表現をする前提として,帰納的ではないというのがあります。プロトタイプ的ではないので,演繹的であると断言するものではあ…

本質を見極める大切さ

私たちはどうしても目に見える表面的なことがらや現象に注目しがちです。それが繰り返されると,どうしても直接的に目にすることがらや現象だけをとらえて自らの価値観からバイアス的に評価するようになります。偏ったというと語弊が生じるかもしれませんが…

みんなができるとき

みんなが目標を達成できたときというのは何よりにも増して嬉しいものです。その瞬間はなかなかやってくるものではないのでひとしおです。そのことを経験している方にとっては,その嬉しさを分かってもらえるでしょう。目標を達成できることは,それを求めて…

みんなでみんなができることから導入します

『学び合い』の考え方を使った授業では,単位時間の冒頭にその単位時間の目標を提示します。みんなでみんなが○○できるというクラス全員の目標です。それは同時に,みんなでみんなができるところに至る前に置いては,一人一人の個人の目標にも置き換えること…

みんなでみんなができることを目標に

『学び合い』の考え方を共有してもらって授業をしようとすると,はじめてのみなさまにとられては戸惑うことが多いのではないかと思っています。その一つが,みんなでみんなができることを目標に掲げることです。”で”と”が”の違いもさることながら,みんなが…

子どもたちの学び

学びの生起はいつどこでどのように起こるか誰にも予測は付きません。もちろん,学んでいるはずの本人にも分からないのですから,周りの人たちに分かることはないのです。同じように,理解できる瞬間もいつどこでどのようにおとずれるのかは,本人も含めて誰…

支え合う集団

支え合う集団とはよく耳にするフレーズです。しかしながら,実現に至るかどうかはなかなか難しいと感じます。子どもたちが学校観を共有しているかどうかに左右されるからではないかと思うところです。どうしても自分が良ければ安心しますし先に進もうと自ら…

自分にディメリットはない

野球のWBCに出場したダルビッシュ投手が言っている言葉を聞く機会がありました。キャンプ最初から参加して,自分の調整もさることながら若い選手の皆様に惜しげもなくたくさんのことを教えてあげたという報道がありました。なぜ教えるのかという質問に対して…

教えるとは何なのか

3月23日の朝日新聞の天声人語の話題です。「教える」とは何なのか。小説「カモメに飛ぶことを教えた猫」の猫のゾルバは,瀕死のカモメと出会ってそのカモメに飛ぶことを教えた物語に登場する主人公です。そのゾルバが「飛ぶことができるのは,心の底からそう…

待つこと

時間が限られている中では,どうしても効率的に事を前に推し進めようとします。ときには,焦ってしまうこともあるくらいです。時間が限られているだけに,時間が終わるときには自分で想定した一定程度の成果を得られるようにしたいと思うのは誰しも同じこと…

文脈が変わって苦慮すること

文脈が変わると,それへの対応に苦慮するのは古今東西変わらないことです。特に,それまで可能であったことが不可能になった場合には,それまで不可能であったことが可能になったことよりも格段と苦慮するのは良くお分かりのことと思います。不便だとか踏襲…

得意なことと苦手なこと

誰にでも得意なこともあれば苦手なこともあります。苦手なことが全くないという人に出会うことは滅多にありません。誰にでも苦手なことがあることを理解すれば,助けてもらおうと思って当たり前なのです。得意なことがあることを理解すれば,それを生かして…

難しさ

相手のことを知るのは難しいことです。思っていたんです,と言われても何かしゃべってもらうか何か行動してもらうかしないと,その人の思っていること,考えていることを推し量ることはできないことはないでしょうが,難しいです。相手に気兼ねなくしゃべっ…

自分の頭で考える

『学び合い』の考え方は,授業のときに自分で何をしたら良いかを考えることを求めます。考えたら,その考えがみんなでみんなができる上で,有効かつ有用なのかどうかを自分で判断して,自分で行動を起こすことを求めます。そのときには,誰かの考え,判断や…

誰が頑張るのか

『学び合い』の考え方で授業をすると子どもたちが頑張らないと目標達成は叶いません。一人も見捨てない理念を共有しているのは子どもたちなので,子どもたち一人一人がどの子も集団内のお友達を一人も見捨てないように考え判断し行動するからです。一方,そ…

生産性の高い集団

生産性の高い集団は,会話の往復が多いというデータが出ているそうです。一方的にしゃべっているだけの集団では生産性が低くなるようです。そんな話を聞くと,さもありなんと思います。『学び合い』の考え方がそれを実証しています。経験が交換される会話が…

すべての子どもたちのために

すべての子どもたちが,だれからも見捨てられずにそしてお友だちをだれ一人をも見捨てずに,授業を受け学校生活を送ることができるようになる教育が,『学び合い』の考え方です。教師だけが旗振りをしても,子どもたち全員がそのような考え方を持って生きる…

誰にとっての主体的?

昔の話です。52から53年も前のこと,当時,学校教育の授業では必ず先生のお気に入りの児童生徒がいたものです。その子が発言すると,先生はその子の発言を基に授業を進めます。まさに,その先生にとってはその子は主体的として評価されたのでしょう。期…

必ずうまくいきます

人を育てることは1日や2日でできるものではないことはどなたでもご存じのことと思います。成人として認められるのが18歳ですから,18年かけて育てます。学校教育も同様で,義務教育は9年ですし,幼稚園・保育園から高等学校卒業までを含めれば15年近くを要し…

日常的な授業です

研究授業を参観に行くことがありますが,どの研究授業も指導の工夫が施されていて見応えがある上に,子どもたちも主体的でかつ対話的に深い学びをしている様態を見せてくれていて素晴らしいものです。中には,勤務校でも実践してみようと思う内容のものもた…

原則として

「○○は原則として△△です」と言われることがよくあります。同じような表現に「等(など)」が用いられることもよくあることです。 特定の事柄や現象を示すのですが,それにとどまらず,それに類似したことも含みます,という使い勝手の良い表現です。私もよく…