信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

なんちゃって『学び合い』

 世に言うところのなんちゃって『学び合い』と呼ばれる形態の授業があります。勝手に推測するに,『学び合い』の考え方に共感してはいるけれども,実際の授業では少しだけ取り入れているというところでしょうか。その”少し”がどの少しなのかが注目されます。肝を外さずに”少し”になっていることを願うばかりです。
 『学び合い』の考え方の肝は,これはいいかなあと思うところをそぎ落として,本当のこれだけは譲れないという芯だけ残してお伝えするならば,①みんなでみんなができる,②信じて任せる,です。
 ①のみんなでみんなができることは,みんなで協力してみんなが目標達成できることですから,それは絶対に譲れません。一人でも目標達成できていない子がいるのに「みんながんばったね」はないでしょう。「目標達成できなかったお友だちが一人いるけど,みんなは何ができたかなあ」と語りたいところです。
 ②の信じて任せることは,時間が短かったとしても,子どもたちに任せる時間を必ず取ることです。短ければ,みんなが目標達成することがかなわないということを教師自身がトライ・アンド・エラーの繰り返しによって学ぶことになりますから。そのうち,時間を少しずつ多く取るように心がけるようになります。教師もトライ・アンド・エラーの繰り返しです。信じて任せたときは,余計な口出し(途中での強引な指導)はせずにひたすらじっと見守ることです。子どもたちには,目標達成に向かおうとする意欲と考える力,判断力,そして行動力が,教師が思っている以上に備わっているのです。
 毎単位時間,中途半端に任せているような見かけで続けるよりは,毎単位時間に短時間でも良いので,全面的に信じて任せることの方が相互信頼観は醸成されます。