信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』でいちばんやっかいなこと

 『学び合い』の考え方で授業をしようとしたときに,いちばんやっかいなこと,いちばんやっかいかどうかは実践者によって異なるので,一概にいちばんやっかいなこととは言い難いかもしれませんが,私が一番やっかいだと思うことは,子どもたちを信じることができなくなることです。信じることができなくなったかどうかの判断基準は,それはもう信じることができないのですから任せることができなくなることです。任せることができなくなっている状況が現れているサインが出ているようであれば,それはすでに子どもたちを信じていない状況が生じていると考えて間違いないことです。信じているけど,任せることはできない,というのはともすると詭弁のように聞こえてしまいます。
 したがって,任せることができなくなった時点で,『学び合い』の考え方から離れます。
 『学び合い』の考え方を使った授業とは言えなくなりますから,『学び合い』の考え方としての様態が崩れていきます。相互承認観も相互信頼感も育ちませんから,バラバラになります。バラバラになるというのは,みんなでみんなができるためにはどうしたらよいのかを考えなくなると言うことです。考えなくなれば,判断もしませんし行動も起こさなくなります。そうなると,ほとんどの子どもたちが動かなくなりますから,指示待ちに戻ってしまいます。一度崩れた様態を戻すには相当な労力と時間を要します。やっかいです。