信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

教師が主役になるのは任せる前

 最初に示された方針が途中で軌道修正されると,やむを得ないことと知りつつもモチベーションに影響があることは避けられません。それが良い方向への軌道修正であれば良いのですが,そうでない場合には困ってしまいます。前者であっても後者であっても,それなら始めから言ってほしかったとなることが多い経験を持っています。特に,同じことをしているのに,あのときは良かったのにこのときはダメだとなると尚更です。
 『学び合い』の考え方は,学習者に対して活動を任せる前にすべて示した上で,最後まで一貫して変更しません。それが『学び合い』の考え方による取組の大切な特徴の一つです。それだけ,活動に入る前の準備が重要であるということの裏返しでもあります。『学び合い』の考え方では,教師は,活動中に主役になるのではなく活動前に主役になるのです。活動中の主役は学習者,学校現場の授業で言えば,つまり子どもたちです。
 任せたからには一貫して任せます。ただし,丸投げではないので,任せるために必要な目標,ゴール,評価の時期,評価の方法,評価規準と評価基準,そして環境構成を用意して任せます。その上で,最後の結果を評価します。任せるために必要なものを準備,用意するところが教師の主役どころです。『学び合い』の考え方の特徴と言えるでしょう。