信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

不安があるとき

 かつて,院生の学位論文で不安や悩みのある授業者について教育研究を進めたことがあります。経験の少なさに依るところが大きいようです。初めてのことに臨もうとする場合には,授業のように複雑な要素が関係している場合は尚更でしょうが,特に強く表れるのではないでしょうか。何回か経験を積み重ねていくことによって少しずつ和らいでいく傾向が見て取れます。それも,成功体験が和らげる過程を加速度的に早めます。換言すれば,成功体験がなかなか得られないような場合には,不安や悩みの解消はおろか和らげる効果もなかなか高まりません。
 一方,不安や悩みを誰かに語る経験を持つことも大切であると言われています。教育相談の効果はよく知られているところです。かつて,体調が優れないときに専門医に診てもらったことがありますが,主治医から何が心配だねと言われてとつとつと不安や悩みを語ったことがありますが,それによってわずかながらも和らげる効果を得られたような気がします。それ以来,自分自身で不安や悩みを抱えたとき,抱えそうになったときには,自分に対して「何が心配だね」と語りかけるようにしています。カウンセリングに依れば,不安や悩みを書き出してみることも,解決に向かう有効な手立ての一つであると言われています。書き出すまでもなく,独り言のように口にしてみてはいかがでしょうか?少しは和らげる効果を生み出してくれることが期待されます。