信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

自分の頭で考える

 『学び合い』の考え方は,授業のときに自分で何をしたら良いかを考えることを求めます。考えたら,その考えがみんなでみんなができる上で,有効かつ有用なのかどうかを自分で判断して,自分で行動を起こすことを求めます。そのときには,誰かの考え,判断や行動をまねしても一向に差し支えありませんが,なぜまねをするのか,そのことについて自分で考えて判断する必要があります。ですから,授業の展開においては,はいどうぞから終わりますまでの時間の下においては,常に自分で考えます。今,何をしたら良いのか,それはみんなの目標達成のために有効,有用なのかどうか,その上で実際に行動してみます。トライ・アンド・エラーです。エラーしたら修正します。その修正も自分で考えます。誰かのヒントはあるでしょうが,それが有効かつ有用かどうかは自分でやってみなければ分かりません。だってそれは,誰かのものだからです。
 自分のことを振り替えてて見れば,そんなふうに自分で考えて判断して行動を起こし始めたのはいつのころからであったのでしょうか。日常的な遊びにおいては,ものごころついたときから,近所のお友だちと一緒にトライ・アンド・エラーしていたことを思い出します。そもそも,お友だちになれるかどうかさえ,トライ・アンド・エラーです。勉強ではどうかとリフレクションしてみると,間違いなく,授業のときはそのようなことはなかった記憶しかありません。中学校に進学して,初めての定期テストに臨む際が初めての挑戦であったように思います。うまくいけば何が良かったのかを振り返り,エラーを起こせば何が良くなかったのかを振り返り,その繰り返しをしながらもがいていたように記憶しています。先生は朝方がいいとか夜型がいいとかいろいろと教えてくれますが,それはあくまでも一般的なことなのではたしてそれが自分に合致しているのかどうかはやってみなければ分かりません。エラー覚悟で挑戦しても,1回きりの定期テストですから取り返しがつかない状況に変わりはありませんが,それでもトライ・アンド・エラーしながら,何が良いのかを見つけようと必死であったように思い出します。
 授業のときに,自分の頭で考えて,それが有効なのか有用なのかを判断して,実際に行動してみる経験を数多く積み重ねていくことができればその後の人生が変わっていた可能性はあるでしょう。一つ一つが自分の経験となって積み上がっていくからです。自分の頭で考えて自分で判断して自分で実際に行動してみることは貴重です。