信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

本質を見極める大切さ

 私たちはどうしても目に見える表面的なことがらや現象に注目しがちです。それが繰り返されると,どうしても直接的に目にすることがらや現象だけをとらえて自らの価値観からバイアス的に評価するようになります。偏ったというと語弊が生じるかもしれませんが,本質を見逃してしまう可能性が潜んでいることを見逃します。しかしながら,実際は,私たちが目にすることがらや現象が現れてくるまでには,そこまでの過程があり,その過程にどれだけの時間と労力が費やされているのかは知るよしもないことも事実です。私たちの目の前に現れることがらや現象が現れるまでの過程を知ろうとする労力と時間を考えると,まずそれに挑むことはありません。その過程を知ることによって,目の前のことがらや現象を再評価することも往々にしてあります。なるほどそうだったのか,と。
 どの教科も同じことであると推測しますが,理科の場合,45分なり50分なりの単位時間だけに現れることがらや現象の,そこまでの過程にどれだけの授業者の労力と時間が費やされているのかは,授業者にしか分かりません。それを子どもたちに分かってもらおうとすることなど全く必要ないことですが。肝となるのは,子どもたちにより良い理解が促されること,子どもたちに力を付けてもらうだけ,ただそれだけです。
 『学び合い』の考え方もその一つです。授業は,従来の授業とは異なりますから,単位時間の中での授業者の立ち振る舞いはこれまでとは180度異なります。その様子だけを捉えて評価されると批判を浴びることになりますが,そこに至るまでにどれだけの労力と時間を費やしているのかは誰も知ることはないので,仕方のないことかもしれませんが従来の授業の何倍も要しています。本質を見極めることがいかに大切かを知るところです。