信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

授業に臨むまで

 次の出前授業が近いです。すでに指導案,授業資料はできていますので,先方にお送りしています。先方にてお送りしたワークシート,力だめし,やりかたをプリントアウトしていただき,子どもさんたちの人数分の印刷をお願いしています。
 ここまで(授業に臨むに至るまで)にどのような過程を経ているのかを記すことにします。
1)送られてきた資料を見て,まず第一にすることは,本時,前時,次時を確認することです。
2)次に,Webに公開されている当該市町村の教科書を検索し,どの教科書会社の教科書が使用されているかを確認します。
3)使用している教科書の教科書会社のサイトを検索し,公開されている年間指導計画を確認して,単元名,単元の標準時間数,本時が何単位時間目なのかを確認します。
4)続いて,当該サイトの年間指導計画ないしは評価規準作成資料から,本時の目標が知識及び技能,思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力・人間性等のいずれに重点を置いているのかを確認します。前時,次時も同時に確認します。
5)確認できた本時の目標が妥当かどうか,つまりそのまま子どもたちに提示できるものなのかどうかを慎重に検討します。その目標を聞いたときに,自分が何をしたら良いか何がミッションなのかどうなればゴールに達したと判断できるのかが分からなければ,その目標をもっと具体的にしなければなりません。Webで公開されている目標ないしは教師用指導書に書かれている目標をそのまま子どもたちに提示しても,だいたいが「何をしたらいいんですか?」になることがほとんどです。教師用の目標が子どもたちには伝わらないのです。
6)教師用指導書ないしはWebに公開されている目標を,子どもたち向けに”翻訳”します。具体的に子どもたちに何をさせたいのかを明確にする作業です。ここがいちばん時間と労力を要するところです。自分が専門とする理科の場合,だいたい具体化作業が思うようにいきません。これくらい分かるだろうという思いが強いからです。
7)本時の目標ができると,前時,次時の目標を作ります。
8)ここまで終わると,次はワークシートの作成です。教科や単元にも依りますが,目標の具体化は,このワークシートに現れますから,前述の「6)」と平行して行うことが多いです。
9)ワークシートができると指導案の反応欄にコピーします。
10)ワークシートの回答例を作ります。
11)力だめしのプリントを作ります。
12)力だめしの回答例を作ります。算数・数学や理科のように計算結果を求める知識及び技能であれば,目標として提示した数値を変えて作ります。文脈をそろえるからです。説明を求める知識及び技能や思考力,判断力,表現力等であれば,そのまま目標設定と同じ文言を用意します。その場合,絶対に譲れないキー・ワードを入れることを忘れてはならないと思います。何個のキー・ワードを求めるのか,すべて書いてないとダメなのかその中の何個かが書かれていればOKなのかも検討します。あるいは,目標設定として4つのことを求めたとしたら、その中のいくつを力だめしとして求めるのかも検討します。4つ全部なのか1つだけで良いのか,それはつまり当該単位時間で何を求めているのかにも依存します。教師としてこれだけは譲れないという最低限の資質・能力の直結するものだけに焦点を絞る作業です。
13)授業用のパワー・ポイント資料を作ります。
14)最後に,黒板に掲示する「あなたの「なんで?」に答えます」のプリントを作ります。
15)しばらく時間をおいて,自分がこの授業を受けたらどうかの視点から冷静にもう一度再検討します。