信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

要請が届いたら,まずすることは?

 私たちの研究室の出前授業は,みなさまのご要望にお応えして実施しています。したがって,みなさまの希望される校種,教科等,学年,クラス,単元,内容,単位時間で行います。先生方を対象にしても保護者を対象にしても異学年でも,それも小学校と中学校との異学年でもOKです。小学校第6学年の児童のみなさまと中学校第1学年の生徒のみなさまとの異学年の出前授業も要望があって実施したことがあります。それこそ,「ブラボー!」との評価をもらった実践です。
 要請のあった学校から資料が届いて,封を開け,資料を拝見し,まず確認するのは教科等です。その次が学年と単元,内容です。そしてその次にすることは,コンピュータを立ち上げてインターネットに接続して,要請のあった学校の所属する自治体で使用している教科書会社の確認です。「○○市町村 小(中)学校 教科書」と入力し,検索するのです。教科書会社が確認できたら,次に,その教科書会社のその教科等のその学年の年間指導計画を検索します。
 要請のあった単位時間を含めた単元は,総単位時間が何単位時間で,出前授業をさせていただく単位時間は何単位時間目なのかを確認します。そして,その単位時間の目標,ねらい,めあてを見ます。一般的なものとしてどのような資質・能力を育てようとしているのかを確認するのです。そこには,3つの資質・能力のうち,その単位時間でどの資質・能力を育てようとしているのかが記載されているからです。それも見逃しません。参考にして本時の目標の資質・能力を検討します。
 前時,本時,次時の目標のうち,いちばん最初に決めるのは前時です。続いて次時,最後に本時を決めます。その際,出前授業であることに鑑み,前時,本時,次時で育てる資質・能力がバランス良く設定できるように一応配慮します。知識及び技能,思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力・人間性等をそれぞれ考えていただけるようにする為です。
 そして最後にワークシートと力試しを作って終わりです。教材等は教科書に示されているもので十分です。いちばん時間を費やすところは,やはり目標をどのように設定したら良いのか,というところです。それが『学び合い』の考え方に限らず,授業づくりの生命線であると確信していることに依ります。