信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

リフレクションを通して考えること

 先日の出前授業のリフレクションをしてみて改めて考える事があります。単位時間に子どもたちに修得させたい資質・能力が知識及び技能に偏っていないかという疑念です。
 ご存じの通り,学習指導要領では,知識及び技能,思考力,判断力,表現力等,学びに向かう力,人間性等の3つの観点から子どもたちに修得させたい資質・能力の獲得状況,学習状況を評価することを求めています。その中で,知識及び技能の資質・能力が多い割合になっていないかということです。
 たとえば,10単位時間の授業を構想し実践する場合を想定した場合,その中で知識及び技能を修得させたい単位時間の割合はどのくらいでしょうか?言い方を変えれば,思考力,判断力,表現力等の資質・能力を修得させようとする単位時間の割合はどのくらいなのか,学びに向かう力,人間性等の資質・能力を修得させたい単位時間の割合はどのくらいなのか,ということです。
 本学部附属学校園の中のある学校園では,学びに向かう力,人間性等は単元全体を通して評価するとされています。先のたとえに当てはめれば,10単位時間全体を通して育て,育ったかどうかを評価するというのです。本当に育ったかどうかを評価しているのですか?どうやって?具体的にどんな学びに向かう力,人間性等を?,と聞いてみたいです。
 たしかに,私も学部の授業では受講生の学生のみなさんに対しては,教育実習に行った時には知識及び技能に絞って授業を構想し、実践することを勧めています。はじめて授業実践に臨む場合には,後者2つを育てる授業は難しいです。本当に育ったかどうかを評価しているのですか?どうやって?具体的にどんな学びに向かう力,人間性等を?,となるからです。
 しかしながら,10単位時間あったら,10単位時間とも知識及び技能であったら,思考力,判断力,表現力等,学びに向かう力,人間性等はどこで育てているのですか?ということを問われます。おそらく,前述の本学部附属学校園のある学校園のような回答が帰って来ることでしょうが。
 そう考えると,『学び合い』ライブ出前授業においても,知識及び技能ばかりを実践することなく,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,人間性等についても授業実践して参考にしていただくことも必要であろうと考えるところです。
 そこで,次の出前授業では思考力,判断力,表現力等に焦点を絞って実践してみることが肝要ではないかと考えるに至っています。挑戦というにはおこがましいですが,実践してみるだけの価値はありそうです。