信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

必ずうまくいきます

 人を育てることは1日や2日でできるものではないことはどなたでもご存じのことと思います。成人として認められるのが18歳ですから,18年かけて育てます。学校教育も同様で,義務教育は9年ですし,幼稚園・保育園から高等学校卒業までを含めれば15年近くを要します。その間,トライ・アンド・エラーを起こしながら様々な知識や経験を身に付けながら育っていくのです。長期的な展望と地道な積み重ねの成果と言えます。
 しかしながら,短期的に見ると,どうしても教育の効果を求めたくなります。特に教える側に立つと,育てる側と行った方が良いのかもしれませんが,自らの育成効果や指導校かが直接的に分かりやすい結果として,最近は特に具体的な数値として求められることがとても多いですが,強く求めたくなってしまいます。現実に求められています。
 その結果,期待する結果が得られないとなると,嘆いたり,原因を早急に無理にでも取り除くとしたり逆に無理にでも結果に導こうとしたり,結果を出さない人や物を排除しようとします。強い指導を加えることもありますし,挙げ句の果てには試み,そう,育てることを諦めることもあります。
 そのことは,『学び合い』の考え方に初めて挑戦するときにも現れることです。中途半端に試みて,結果が出なかったような場合には特にそのような傾向が見られるように思います。1回や2回の試みで人を育てることはできないことはよく分かってはいるつもりですが,それが自分ごととして実際に自分の目の前で起きてしまうと心は弱いもので,人ごとではなくなってしまうのはよく分かります。
 期待する結果は出ていなかったとしても,確実に結果の芽は出ているはずですし,その芽は伸びているはずです。その芽と芽の伸びを見逃さず,理念と捨てず,あきらめずあせらずあわてず結果を求めることを急がず,試み続けてみてはいかがでしょうか?トライ・アンド・エラーの繰り返しですから,必ずうまくいきます。