信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

情報が重要であるかどうかは受け手が判断

 重要な情報であるかどうかは学び手にしか分からないものです。入力される情報が重要であるかどうかは受け手が判断します。入力された情報が重要であるかどうかの判断基準は,自らの知識と経験に基づくものです。その知識と経験がぶれたり不十分であったりした場合には取り返しの付かないことになることは自明です。
 学校教育の教科等の授業においては,その知識と経験の未熟さから教師が重要な情報を提供する場と機会が数多くあります。子どもたちは,教師から提供された重要な情報を経験を積み重ねることによって,重要レベルを決めていくことになります。特に,自らのあるいは周りの人たちの生命に直接関わらないような教科等の内容の場合には,その重要レベルが経験によってあがったり下がったりします。その判断は,あくまでも子どもたちです。教師にとって重要度が高かったとしても子どもたちにとって優先度は低く重要とは言えない情報が出てくることもあります。
 情報の価値判断を行う経験を数多く積み重ねることによって,自らの問題解決や課題解決の際のアプローチの優先度を決めていく材料にすることになります。その意味において,情報を正確にかつ精密に子どもたちに伝えること,それも事後では全く機能しませんので,事前に伝えることがいかに重要でいかに大切であるかと言うことを我々は認識する必要があります。子どもたちが自ら判断する際に,情報の重要度を間違えることのないように経験を数多く積ませてあげたいと願うところです。