信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

言われていないこと

 言われていないことをやる必要は無いという主張にであいます。ある一面では最もです。指示されていないからやらないのです。このたびの新型コロナウイルス感染症の感染が始まった頃に,指示されていないからアナウンスしないというある航空会社が話題になりました。

 ただ,指示されていることはするけれども指示されていないことは必要性があったとしてもやらないことについては,指示待ち人間と言われても仕方がないように思うのですがいかがでしょう。一般社会の中で責任の所在を明確にする上では致し方ない一面があることも確かでしょう。

 しかし,そのような中でも想定していないことにぶつかったときにどのようなことを考えて判断し,具体的にどのように行動を起こすのかが問われていたら,言われていないことだからやる必要はないなどと言っていられないことが生じることがあります。

 特に,周りに指示する立場の人や適切な示唆を与えるような言動で導いてくれる人がいない場合には尚更です。

 以前からも学校教育においてその点は私的をされてきていることのように思います。だからこそ,平成14年から総合的な学習の時間が導入され,自ら考え判断し行動を起こすことのできる人材を育てるべく学校教育でも取り組んできているのです。幼小の時から,自分で考え判断し,具体的に行動することが重要でありかつ大切であることを学び続けていくことによって,20年後の子どもたちの幸せがもたらされることにつながることを肝に銘じたいと思うところです。

 『学び合い』の考え方に基づいた授業では,授業冒頭に教師が目標や課題を示し,授業の最後に評価しますが,その間の時間は子どもたちに任せます。子どもたちはみんなの目標の達成に向けて,自分で考え判断し、具体的な行動を起こします。もちろん,トライ・アンド・エラーを起こすでしょうが,教師に見守られながらそれを繰り返すことによって一歩ずつ,自分で考え判断し,具体的に行動することが重要でかつ大切であることを体得し,20年後の自分の幸せがそれによってもたらされることを理解してくれるようになります。

 『学び合い』の考え方の素晴らしさです。『学び合い』の考え方を知った子どもたちいは,言われていないことをやる必要はないなどと言う子どもたちは一人もいません。

 それが『学び合い』の考え方です。