先日，学部授業の出張で河口湖に行ってバスと列車に乗った折に体験したことです。まず，移動の時に乗ったバスが満席であったときのことですが，ギューギュー詰めに乗っている満席状態であったとしても優先席だけは誰も座っていません。そのとき，若い方が私にどうぞ(お座りください)と譲ってくれました。譲ってくれたと言うよりも，私の白髪の風貌を見て座っても良い年齢の人間であることを察知したのかもしれません。ありがとうございました。
続いて乗ったバスも満席です。小さなお子様連れのご家族が乗ってきたので，今度は先に座っていた私がよかったらどうぞお座りください，とそのご家族に座席を譲って差し上げました。最初は遠慮されていましたが，満席の中ですから座ってくれました。気持ちが伝わって良かったです。
そして，最後は列車の中です。満席ではなかったのですが，目の前に座っていた学生と思われる若い方が，ドア近くに立っておられた私と同じくらいの年配の方のところにわざわざ歩いて行って，席を譲ってあげようと声をかけていました。自分はすぐに降りるので(良かったらどうぞ座ってください)と。席を譲ってあげていた方は実際には3つ先の駅で折りましたが，その気持ちと言葉のかけ方と行動が心打ちます。
何気ない現象ですが，席を譲られる立場と譲る立場の両方の経験をいずれもすることのできた，出張ならではの貴重な1日でした。
