信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

ゆで卵が生卵に戻る

 ゆで卵が生卵に戻ると聞くと,えっ?そんなことができるの?と思われるかもしれませんが,調べてみると8年も前にその研究成果が公表されているからびっくりです。生卵を構成するタンパク質は折りたたまれた毛玉のような立体構造をしているそうですが,親水性のタンパク質が液体を形成しますが疎水性部分は毛玉の内側に折りたたまれているようです。熱が加わると,立体構造と保っていた弱い結合が熱で切断されてタンパク質が伸びて絡み合うのです。これが熱変性と呼ばれます。毛玉の内側にあった疎水性部分が出てきて水を弾くのでタンパク質同士がくっついて固まるのです。この発見までは,この現象が不可逆性であるとされていたので,ゆで卵は生卵には戻らないとされ続けてきたのです。科学の進歩が,私たちの身の回りの実生活の常識と思われていた現象をひっくり返してくれます。