信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

不変

 かつて1980年代に,個別化・個性化教育が叫ばれました。当時の文部省は個に応じた指導の指導資料を出しています。指導の個別化,学習の個性化と呼ばれ,学校現場で盛んに実践が行われた時代です。

 ご多分に漏れず,私も個別化・個性化教育に取り組んだ物です。それがライフ・ワークとなり,現在の教育研究に実を結んでいます。しかし,今,個別化・個性化教育を実践している方にはまず会うことはありません。長野県内でも聞きませんし,各学会の全国・地方レベルの大会の発表でも聞くことはありません。

 あれから40年経って,子どもたち一人一人の教育的ニーズに応じた教育を構想し,実践していくことは当たり前の時代であるからかもしれません。時代とともに求められる教育は変わります。

 『学び合い』の考え方がはじめて本になって出版されてから10年になります。考え方であるだけに,核となる部分は不変です。20年後,30年後の子どもたちの幸せを願う出発点はこのあとも変わらず引き継がれていくことと思われます。きっと40年経っても『学び合い』の考え方は支持されることでしょう。我々ホモ・サピエンスが集団の中で生存し続け進化してきたように,集団の中での関わりを通した学びとその進化が続く限り,不変です。