信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

どれだけ待てるか

 みなさんは困ったことがあったときに誰かに相談すると思いますが,相談相手が助けてくれるかどうかを判断するまでどれくらい辛抱強く待てるでしょうか。もちろん,ケース・バイ・ケースでしょうから一概に○分とか○秒とか言えるものではないというのは分かります。

 私の場合,ホーム・ページには「※送っていただいたメールには3日以内に必ず返信しますから,もし3日経っても返事がお手元に届かないようでしたら,お手数でも,このホーム・ページの「お問い合わせ」フォームからもう一度送り直してください。」と記してあります。3日の根拠は金曜日に届いたメールがあったとして土日をはさんでも月曜日には返信できる環境になること,出張等で対応できないときがあってもカバー可能な日数として想定したことに依ります。

 事情があって,急いでいる場合には3日も待てないと思います。しかし,困っていて助けを求めるときに○分いないに助けてくださいとも言いづらく,返信がこなかったり対応してもらえなかったりするとますます困ってしまいかねません。それだけに,困ったことがあったときにはやはりすぐに助けてもらいたいものです。ここで言うところのすぐに,というのもその人の文脈によって異なるでしょうから,なかなか難しいです。

 学校教育における教科の授業でも同じようなことが起きます。子どもたちも,1単位時間の中で困ったことがあれば相談したいものです。

 小学校入学時にはおそらくその行為が頻繁に現れたと推測できます。

 ところが,担当の先生から即時的に対応してもらえない経験が何度も積み重なることによって,いつの間にか1単位時間中に困ったことがあっても,その単位時間中には誰にも相談できないものであることを学習するようになります。そうするとそのうち,困ったことがあっても相談せずに我慢したりないしは別の行動に出たりするようになるのです。

 『学び合い』の考え方では,困ったことがあったらそのときにその場で誰にでも何度でもいつでもどのようにしてでも相談する環境が整っています。もちろん,1回相談したからと言って即時解決できる文脈を得られるか否かは定かではありませんが,環境構成は成されています。解決できなければ,解決するまで何度でも誰にでも相談すれば良いだけのことです。

 それが『学び合い』の考え方です。