信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

3年学んだ人は

 一昨日,本学でも卒業式が挙行されました。このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と感染予防のために,縮小されておこなわれた物なので,学部も代表1名が授与される式典となっています。

 私たちの研究室の卒業生も,式典には参加できませんでしたが学務係から卒業証書を手渡してもらったようです。ご卒業おめでとうございます。

 私たちの研究室の卒業生は2年進級時から3年間に渡って『学び合い』の考え方を学んできました。2年間学んだあと,卒業研究として学校現場で『学び合い』の考え方を使った授業をしている学校で,そこで学ぶ子どもたちの様態について調査をおこないましたし,特に彼らは4年次のときに『学び合い』の考え方の学校で『学び合い』の考え方をみんなで共有した授業実践もさせてもらえた学年です。3年間,『学び合い』の考え方にどっぷりと浸かって過ごしてくれたわけです。

 我々の先行研究(三石梨沙・三崎隆:教師の『学び合い』の経験年数とその言動に関する事例研究,臨床教科教育学会誌,12(2),83-90,臨床教科教育学会)に依れば,『学び合い』の考え方を3年学んだ人は,『学び合い』の考え方を知らないで授業をしている経験10年以上の教員と同等の授業実践ができることが実証されています。したがって,彼らが4月から学校現場で授業実践するに当たっては,自信と誇りを持って臨んでほしいと願ってやみません。

 『学び合い』の考え方の一番の魅力は,その考え方が学校教育の教科の授業だけに通じる物ではなく,いかなる状況においても汎用性高く実践できるものである点です。私たちの研究室の卒業生が卒業するに当たり,嬉しいことは彼ら自身が『学び合い』の考え方を習得してくれたことに尽きます。ぜひ,これからも『学び合い』の考え方を大切にして活躍してくれることを期待しています。

 それが,『学び合い』の考え方です。