信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

2つの理由

 論文をまとめていると,読み手のみなさんにより良く理解してもらうためにはいかに表現したら良いかを工夫します。その作業がなかなか難しいものです。自分としては,読み手に対して分かりやすいと思って記述するのですが,読み手にとってわかりにくいと感じる理由が2点あります。

 一つは自動化です。もう一つは多様な解釈です。

 前者は書き手にとって当たり前であると思ってしまうことによって現れる現象です。何度も何度も書いていると,そんなこと書かなくてもみなさん分かっているでしょう,だって常識なのですから(ともすると自分だけの独りよがりの認識でしかないのかもしれませんが),となってしまいます。知らず知らずのうちに誰でもがはまり込んでしまうことなので,自らが認識していないところがやっかいなのです。

 後者は,読み手に分かりやすいと思って記述したつもりでもその解釈が読み手によって異なるから起こる現象です。記述する際に,書き手に思考の枠組みに負荷がかかるからです。思考の枠組みができあがってしまっていてそれにとらわれてしまっていると言った方が良いかもしれません。書き手と読み手の思考の枠組みが違うと同じ文章でも解釈の仕方が異なってきますから,書き手の意図が読み手にうまく伝わらないことになります。なかなか難しいです。

 その当たりの折り合いを付けるのが『学び合い』の考え方です