あることに習熟するためには,1万時間を費やすくらい集中すれば間違いなくその道を究めることができます。ビル・ゲイツ氏が1万時間以上をかけていることは有名です。1万時間とは言えませんが,はじめてのことを理解して使いこなすことができるようになったり,誰かに教えてあげたりすることができるようになるためにはある程度の回数の繰り返しによる習熟が必要であることは分かります。わずか1回や2回練習したり実際に試してみたりしただけで,誰にも頼らずに何も見ずに自分でできるようになるなどということはおこがましいことかもしれません。少なくとも,はじめてのことを1回や2回聞いた後に,そのことについて本当によく分かったのかと言われると疑問が残ることも確かです。『学び合い』の考え方を使った授業では,自分が本当によく分かるまで何度でも誰にでも聞くことができる環境が整います。加えて,本当によく分かったとなるまで,何度でも誰にでも教えてあげることができる環境が整っています。何度も教えてあげることを通して,自分が本当によく分かったのかどうかをはじめて知ることになります。それが『学び合い』の考え方です。