信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

現象の背景にあるものを

 現象だけとらえて評価すると,その現象のみの評価に終わります。しかしながら,その現象が現れるその背景を探ってみることによって,その現象の違って側面を捉えることができることがあります。単純な例を挙げれば,レポートなり宿題なりが提出されていないという現象が,今,自分の目の前に現れたとします。あなたなら,どのような評価をしますか?どのように対応しますか?
 提出締め切りを過ぎても,提出されていなければ,その現象のみを捉えることによって評価が下されるのではないでしょうか?しかしながら,その提出されなかったその受講者その児童その生徒その学生の提出できなかった背景を慮ってみることによって,その過程に現れる別の側面が浮き彫りになります。それをどのように評価し対応するのかによって,その後の関わり方が異なってくるのではないでしょうか。
 だからこそ,常日頃から余裕を持って,見通しを持って進めていくことが肝要ですと言い続けているでしょ,ということになるのでしょうが,私自身の過去をリフレクションしてみても,特に創造的な業務というのは見通しを持って進めろとは言ってもそう簡単に進められるものではないことはよく分かります。ひらめきや創造性は毎分毎秒生起するものではないことは経験上いやというほど分かっているからです。いわゆる,先送りします。締め切りが近づいてきたとしても,先送りします。なんとかなるのではないかと自分に甘えます。そのうち,ひらめきが突然やってくることを信じて。
 目の前に現れる現象に至るまでの背景を探ってみることのできる余裕を持ちたいといつも思うところです。