信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

消しゴムの文化

 信濃の国からこんにちはを通じて,消しゴムの文化について何回も書いてきました。本学の学生のみなさまが定期試験の時に答案を仕上げるときに使った消しゴムによって出た消しゴムの消しかすを,試験が終わって退室するときに全部,ひとかすも残さずに丁寧に手におさめて,持ち帰って退室してからゴミ箱に捨てる行為です。その行為は,特定の一人の学生だけに限られたものではなく,特定の学年の学生に限られたものでもなく,特定の授業科目だけに限られたものでもなく,その上,特定のゼミやコースや所属集団の学生に限られたものではなく,一般化された行為であるように思われるので文化が創られていると捉えられるのです。
 ところが,先日,本学の推薦入試の試験監督をしたところ,本学の受験にやってきた受験生,推薦入試なのでおそらく現役の高校3年生であろうと思われる方々が,同じ行為をするではありませんか。それもほぼ全員が,です。もう,びっくりしました。入試なので途中退席はまずしませんから,試験が終わると,それこそあちこちで一斉に消しゴムの削りかすを集め始める光景が目に飛び込んできます。彼らもすでに高校時代から,消しゴムの文化を持っているのか,と驚くやら感嘆するやら。指導してくださっている各学校の先生方に敬意を表します。
 消しゴムの文化,何気ない一つの行為かもしれませんが,間違いなく自慢できる日本の文化なのではないでしょうか。