私たちが日々学んでいることは，これから自分の人生の中でいつどこでどのように役に立つのかは分かりません。今学んでいることが，このときに役に立つよと言われたら，分かっていたとしたならば，学びがいもありますし，自分ごととしてまなぶようになりますから，より効率的に学ぶことができるはずです。そうはいかないのが学びの難しさです。
先生の授業は学校現場で役に立つんですか？と聞かれることがあります。もっともな質問だと思いますし，学ぶ側に取ってみると役に立たないことは学んでもあまり意味を感じることができないのでそれならばもっと別なことに時間を有効に使いたい，という思いがあることも理解できます。教え手としては教養ですと簡単に答えたいところですが，血となり肉となって必ずや自分自身の成長に役立つものです，と抽象的な物言いしかできないことが切ないです。経験上，それは間違いないことなのですが，なかなか後に続く人たちには伝わらないことはもどかしさを募ります。
学びに無駄はない，のでどのようなことをも試みて学び続ける人であってほしいと願うものです，と自らにも言い聞かせています。
