ダイラタンシー現象と呼ばれる自然現象があります。ご存じでしょうか?
身近なところでだれでも目にしている自然現象なのですが,それを科学的な現象として改めて言われてみると,それって何?とかへえーっそうだったんだ,とかなってしまうから不思議です。ダイラタンシー現象とは力の加減によって液体が固体のように変化する現象のことです。えーーっ,そんなことがあるのか?と思いませんか?
片栗粉で水まんじゅうをつくるとき,濃厚な水溶き片栗粉をぎゅっと握るとお団子のように固まりますが,力を抜くと液状に戻ります。マヨネーズはその逆で,力を加えると粘度が下がる性質があるので,チューブ容器を逆さまにしてもマヨネーズはこぼれませんが,チューブに力を加えるとその力によって粘度が下がって絞り出すことができます。塗装用のペンキはかき混ぜると粘度が低下しますが壁に塗ると粘度が回復してたれにくくなります。そう言われると,ああそうだと思います。
石川県にある千里浜というところは,車の重さでこの現象が起きるので砂に埋もれることなく車が走ることができることで知られています。へえーっそうなんだ,と思わず唸ってしまう自然の不思議です。