信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

フィボナッチ数列

 フィボナッチ数列と聞くと,6年前を思い出します。理科人なので,どうしても数学からのアプローチよりも理科からのアプローチを考えてしまう自分がいます。フィボナッチ数列,それは理科でしょ,と。フィボナッチ数列を成すフィボナッチ数を取り上げると,必ずと言って良いほどひまわりの種が登場します。これからいよいよひまわりのシーズンが到来しますが,ひまわりの種の数を数えてフィボナッチ数列に思いを寄せてみてはいかがでしょうか?
 今では読むことのできないそのときのブログを再掲します。
===(ここから再掲)
2017年6月16日   [大学院・学部授業]フィボナッチ数列    
 「へえーっ,キャベツってすごいんだねえ!」
 昨日の教職大学院の日での感想です。理科と数学は関連が強い教科です。本教育学研究科の教職大学院は拠点校方式を採用していますが,その拠点校で,今,フィボナッチ数列を成す植物の成長があることを取り上げようと授業構想を練っています。どれだけどのように実現できるかはこれから次第ですが,理科人としては自然界に現れる理科と数学の美しいとも言える営みには感動すら覚えるところです。学部1年生に「生物学における数学,物理学の必要性」を講義するほどですから。ぜひ実現できるよう力を尽くしたいと思うところです。
 身近なところを見渡すと,キャベツやレタスの葉の付き方,ひまわりの種,松ぼっくりのかさ,パイナップルのかさ等々がフィボナッチ数列に当たるそうです。キャベツの葉を1枚ずつ丁寧に剥いで並べて真上から見てみると,最初の葉からおよそ130度~140度くらい回転したところに次の葉があることが分かります。次の葉は2枚目の葉からさらに130度~140度回転したところにあります。次の葉はさらに130度~140度くらい回転したところ....,と続きます。それが5角形を成していて2周りすると元の最初の葉に重なります。はあーっ,それは見事なものです。2/5葉序と呼ぶそうです。5角形で2周りめに一致するからです。
 そんなこと言ったって,「それは本当か?」と思う人もいることを想定して,その場に分度器が用意されていました。測ってみます。本当に正確に再現されています。「へえーっ,キャベツってすごいんだねえ!」。これからは,キャベツを食べるときには,まず葉を1枚ずつ角度を測りながら,数えながら食べようかなと思わせてくれるほどです。キャベツの魅力が2次曲線を描いて一気呵成に急上昇した瞬間です。
 フィボナッチ数列は「1,1,2,3,5,8,13,21,34,...」と数が並びます。どのように並んでいるかというと,はじめの2つの1を除いたそれぞれの数は,その1つ前の数と2つ前の数との和になっているそうです。そう言われると,なるほど,確かに。このフィボナッチ数列が有名なのは,自然界の様々なところにこの数列を見いだすことができるからだそうです。先のキャベツやレタスの葉の付き方もこのフィボナッチ数になっています。木の枝の伸び方もこの数列で明快に説明できるそうです。自然界はフィボナッチ数列の美しさに魅了されているようです。自然界は実に美しい!と感動します。
 さらに,このフィボナッチ数列に出てくる数値ととなりの数値の比を見てみると,右側の数値を左側の数値で除すと,数値が大きくなるほど,1.61...に近づくそうです。確かにそうなっています。これが黄金比と呼ばれます。古代ギリシャの時代からもっとも均整がとれ,美しいとされてきているそうです。身近なところでは各種カード,名刺,ノート,教科書等々の縦と横の比はすべて黄金比で,挙げればきりがないようです。ミロのビーナスも体の様々な部分に黄金比が応用されているということです。普段何気なく見ている,使っている身の回りに自然界の美しさが溢れていることをフィボナッチ数列は教えてくれます。数学と理科の親和性の高さを教えてくれるのも,幅広く奥深く学修できる信大教職大学院の魅力です。それだけにとどまりません。防災グッズづくり,LEDによるレタスづくり,名言「学ぶことによってカラフルになる」も信大教職大学院の魅力を倍増させてくれる大きな要因です。教職大学院っていいところです。
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