信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

そんな問題は作りません

 「あなたがもし期末試験で,「あなたはりんごが好きですか?」と聞かれたら,なんと答えますか?」と尋ねられたら,これを読んでくださっているみなさまはなんとお応えになるでしょうか?「そんな質問はしません。(そんな問題は作りません)」と答えられたことがあります。そう返すのか,と思ったものです。聞く側としては,そのような質問をするかどうか(問題を作るかどうか)を知りたくて尋ねたわけではなく,もし仮にそのような質問をしたときに(問題が出されたときに)どのような回答をされるおつもりなのかということを尋ねたかったのです。
 自分の意思が相手に伝わらない一例です。
 文脈はまったく異なりますが,『学び合い』の考え方を理解していただきたくて,ある学校におじゃましたときに,その学校のみなさまに対してお尋ねしたときのことでした。期末試験で,という文脈に仕上げたことが誤解の基であったのかもしれません。要は,児童・生徒のみなさまの気持ちになって考えてみていただけないかなあという思いから発したもので,自分がしようとする質問(つくろうとしている問題)を,もし仮に自分がそれを受ける側の人間であったならば,それをはじめて目にしたときにどのように感じるものであるのか(質問しようとする側,問題をつくろうとする側の意図している,求めている回答を得られるような文脈になっているのかどうか,教師の求めている期待している理想の反応を引き出せるものになっているかどうか)を考えてほしいのです。
 『学び合い』の考え方は,その視点から目標を作ります。