信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

見方・考え方を変えると

 見方を変えると見方が変わることはよく知られています。たとえば,いつも表からしか見ていなかった物をたまに裏から見てみることを想像してもらえると,その場合には新しい発見があったり見たことのない裏側の様子を見ることができて見ている物に対する評価が変わったり(良くなることもある一方で悪くなることもあります)することがあります。学校教育だけではなく,普段の日常生活においても当てはまることであり,何気なく生活を送っている中で幾多に経験してきていることでもあります。
 部屋の大掃除もそうかもしれません。部屋の中の設置物はいつも表側からしか見ていませんが,一年に一度の大掃除などの時には設置物を動かして裏側から眺めてみる機会に恵まれます。引っ越しの時もそうです。こんなになっていたのか,と脅かされます。家具等の設置位置や設置状態に対するもともとの考え方が変わる瞬間でしょう。学校現場においても,いつも教える側にいる方々にとって研修の機会には教えてもらう側になることがありますが,教えてもらう側になってみると教える側に対する様々な要望が湧き出てくる経験をすることができることはよく言われることです。それを自分自身のこととして置き換えることができるかどうかは別問題です。
 見方だけでなく,考え方も同じことが言えます。いつも同じ考え方をしているとその考え方,文脈という表現をよく使いますが,その考え方が当たり前になっていきますのでその考え方ではない考え方を受け入れにくくなっていく傾向があります。そんなときには,違う考え方に触れてみることが有効な手法となることもよく知られています。その意味では,文化の全く異なる国・地域に行ってみることも有用的です。自分にとって当たり前の考え方が,異質な考え方であることをいやというほど知ることになります。周りは全部自分と異なる考え方をしているみなさまだけなのですから。
 見方・考え方を変えると自分が変わります。自分を変える意味では,見方・考え方の異なる文化を持つ人や集団,国・地域とかかわることに挑戦してみることがお勧めです。