信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

同じことを言うのでも

 同じことを言うのであっても,その言い方,イントネーションや表情も含めて,その文脈によって相手に対する伝わり方がまったく異なります。事,自分ごととしてとらえてみるとよく分かります。同じ言い方をされる場合でも,そんな言い方しなくてもとか,別の言い方があるでしょう,という経験は数多くあります。
 若い頃に先輩諸氏からアドバイスされたことは,要改善点を指摘してから褒める場合と,褒めてから要改善点を指摘する場合では相手に対する伝わり方が異なるから注意した方が良いと言うことです。私の場合は,後者がほとんどです。それも2つ叱って3つ褒めとよく言われますが,4倍か5倍かと思われるほど褒める度合いが多いです。場合によっては褒めて終わりということもあるくらいです。ある学校に行ったときに,三崎先生は褒めるばかりで改善点を指摘しないとお叱りをいただいたこともあるほどです。
 要改善点を指摘する場合も,ダメだダメだだけでは聞く側も改善しようとするモチベーションが上がらないでしょうから,どうやったら良くなるのかその具体的な事例を示しながら伝える工夫が必要です。いわゆる代案です。代案が果たして効果的かどうかは分かりませんが,こんな工夫ができるのではないかという具体的な方法を示すことが肝要です。言うは易し行うは難しでなかなか難しい物です。