信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

どんな問題が出るか教えてください。

 かつて免許更新講習があったころには,終日の講義の最後に試験がありました。日本の学校教育においては,試験というのはどのような問題が出題されるか知らされないまま実施されるのが常です。それは答えが一つしかない問題の出題なので,試験問題が知らされると意味を持たなくなるからです。受験者自身の修得したであろう資質・能力を推し量ることができないのです。ですから,どのような試験問題なのか知りたくなります。講義冒頭に,どんな問題が出るか教えてください,という質問を受けたことがあります。単位を取得できなければ免許更新を果たすことができないのですから真剣です。
 試験というのは,その受講科目の最終ゴールとして位置づけることができると考えられますから,そのゴールを冒頭に示して差し上げることができるようになることが望ましいと考えられます。かつて中学校での定期試験にそのような試みをしたことがありますが,こちらが期待しているような資質・能力の獲得は叶わなかった苦い経験を思い出します。私の講義は最終ゴールを示します。試験問題は答えは1つではありませんし,受講生の頭の中にしか求める答えがありませんから,一人一人が違っていた当たり前の試験問題です。