信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

冷静になって考える

 商品を見て思わず買ってしまうことがあります。思わず,というのはそのときにはまったく購入の予定がなかったのに,買ってしまったという意味です。前からほしくて仕方がなかった品であったりこんなものがあるといいなあと思っていてたまたま見つけた品であったり,そのときによって様々な場合があります。
 ところが不思議なもので,冷静になって考えるとどうしてこれを買ったのであろうかとそのときの自分を訝しがることがあります。もっとより良いものを見つけることができたのではないであろうかとか,別の品で代用できたであろうになぜそのとき買おうという気持ちになったのであろうか,とか様々考えます。ピューリタンの馬を思い出します。
 買う前に,冷静になってもう一度考えてみる試みは大切なことです。その時間と余裕を持ちたい物です。
===(ここから2015年3月12日の再掲)
[教育一般]迷い
 迷いが生じることあります。
 みなさんにはありませんか?先日も,同僚から「先生でも,迷うことがあるんですか?」と言われたほど,迷います。「ピューリタンの馬」という外国のことわざがあります。お腹を空かせた一頭の馬がいて,右の方には美味しそうな干し草が山ほど積んであって,左の方にも美味しそうな干し草が山ほど積んであって,その馬はどちらの干し草を食べようか,真ん中で大いに迷うのです。だって,右の方の干し草の方がたくさんあって美味しそうに見えますし,左の方の干し草も負けず劣らず美味しそうで量もたくさんありそうだからです。
 右の方の干し草を食べようかと思って
 右の方に行きかけては,「いやいや左の干し草の方が美味しそうでたくさんあるぞ」と思って引き返し,今度は左の方の干し草を食べようと左に行こうとしては,また「いやいや,右の干し草の方が美味しそうだし量もたくさんありそうだ」と思い直します。左に行きかけては,また迷って右に行きかけ,そこでまた迷って左に帰り,またまた右に向かいます。迷って,それを繰り返すのです。迷った挙げ句の果てには,干し草を一口も食べることなく餓死するという話です。随分昔に聞いた話なのでニュアンスは若干異なっているかもしれません。
 どちらか一方に決めて
 決めたら振り向かず,一途にそれに向かって邁進しなさいということを我々に伝えているものです。迷うということは,どちらにも一長一短があってどちらを選択したとしても大差がないということです。もし片方が断然にメリットばかりあるのであれば,迷うことは決してありません。メリットの断然多い方を即座に選ぶことでしょう。それができないということは,片方にもメリットとディメリットがあり,もう片方にもメリットとディメリットがあるということ。少しでも有意差があれば,有意な方を選ぶことができるわけですから,それができないのですから,極論すればどちらを選んでも大差がないということ。それならば,一刻も早く,どちらかに決断して,選択した方に邁進することの方が有意義であるという戒めです。
 迷ったときは,
 このピューリタンの馬の話を思い出すことにしています。しかし,それでも太古の昔から隣の芝生は青いのですから,やはり青く見えてしまい,葛藤が起きるのはやむを得ないことなのかもしれません。迷いから逃れるためには,迷う必要のないだけの実力をつければよいだけなのでしょうから,自分に力が足りないというだけのことです。迷う前に,自分を磨くため日々精進し,前に進むのみです。今がんばらなくて,いつ頑張るのか。
===(ここまで2015年3月12日の再掲)