信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

視点を持つ

 文章をチェックするときには,その文章を読むに当たっての一定の視点を持っている必要があります。いわゆる,必要なバイアスをかけて読まなければどこをどのように修正しなければならないのかが分かりません。修正するポイントがあるので,それに基づいて文章を読み進めることが大切になってきます。
 感想を述べる機会をもらうことがありますが,同じことです。よかったです,とは誰でも言えるのですが,どこが良かったのか,なぜ良かったのか,を適切に指摘してあげることが肝要です。
 ゼロから文章を作るときも同じことが言えます。起承転結という言葉はよく聞くことですが,基本的な文章構成の手順ではないでしょうか。論文を書くときも,問題解決の流れのように,一般的な書き方があって,書いてほしいことを書いてほしい順番に書いていかなければ,読み手に必要なことがなかなか伝わらなくて苦労します。自分だけ分かっていても,それが読み手に伝わらなければ仕方がないものです。
 その意味においては,文章を書くときや文章を点検するときには,その分野なりジャンルなりの過去の文章をたくさん読むことが大切になってきます。作家の方が,幼少の頃から本をたくさん読んできたという話はよく聞きますが,さもありなんと思います。その分野の文章をたくさん読むことによって,いわゆる目が肥えてきて文章作成,校正には何が必要でどのような観点から進めていけば良いのかが分かるようになってきます。知らず知らずのうちに,視点を持つようになりコツを会得します。