準備は一生懸命しますが,後片付けは気が重いものです。目標を達成した後の達成感や虚脱感があるからでしょう。ものを借りるときには一生懸命になりますが,返すのが滞ってしまうことも似ています。
リハーサルを何度も繰り返して万全の準備を進めます。せっかく準備したのだから,準備したものは使いたいと思うのは誰しものことです。論文も似ていて,苦労して調査して得られたデータなのですから,なんとか使いたいと思います。
しかし,必要なデータに限って必要のないものは外さなければ成りません。せっかく準備したからとは言っても,目標を達成するために本当に必要なものは何なのかを再吟味する必要があり,その結果,せっかく準備したものであったとしても必要性が低いのであれば,使用する必然性がなくなります。それも仕方のないことです。
相手に伝えたいこと見せたいこと理解してほしいことは何なのかを明確にすることによって,必要なものと必要でないものが見えてきます。一生懸命準備をして来たということは必ずや相手に伝わります。たとえ一生懸命準備してきたからと言って,必要の無いものまで使ってかえって相手に何も伝わらなかったら元も子もありません。必要なものは何かを見極めるための,準備です。