仕事を頼まれたら期限までに仕上げて,依頼主に渡します。チームで仕事をする場合には,チームメイトとともに相談しながら仕上げます。当たり前のことかもしれません。仕上げ終わったら,成果物として仕上げるまえに疑問を感じたことをチームメイトと相談しますが,チームメイトも納得の上で依頼主に渡します。
ところが,渡した後に実は仕上げてほしかったのはこれではなくてそれなんです,と言われることあって戸惑います。チームメイトも何も聞いておらず,チームとして困ってしまいます。あとから,なんだそうだったのか,と思うのです。チームメイト共々,それならもっと違うアプローチで仕上げることができたのに,と後の祭りです。いわゆる,後出しじゃんけんです。社会生活においては,後出しじゃんけんされても相手が上司であればなおさらのことなかなか改善要求は出せません。みなさまにはそんな経験はありませんか?
『学び合い』の考え方は,授業の冒頭に必要なことをすべて示します。授業の途中で情報の加除訂正は絶対にしません。後出しじゃんけんと呼ばれるような行為も全くありません。目標が達成されるまでの1単位時間(場合によっては複数単位時間になるかもしれませんが)の中では一切ぶれないのが特徴です。最初にしゃべったら,あとは目標達成できたかどうかをリフレクションするときまで,子どもたちにすべて委ねて任せるのが,『学び合い』の考え方の特徴です。